介護事業所に限らず、どんな職場でも「辞める辞める詐欺」をする人がいたりします。
「辞める辞める詐欺とは何ぞよ?」という人は、下記記事にまとめていますのでチェックしてみて下さい。
簡単に言えば、辞める気もないのに口癖のように「会社を辞める」と言って上司や周囲を翻弄させる行為、又は、そういうことをする人を指す造語になります。
ですから、辞める辞める詐欺というのはネガティブな要素があり、本来であれば「しない方がいいもの」であり、会社や周囲からしてみれば「排除したいもの」であるため決して推奨されるものではありません。
しかしそんな中、「理不尽な職場から身を守りながら働くためには辞める辞める詐欺を駆使していかなければやっていられない」という考えに行き着かざるを得ない状況があったり、事実、実際に辞める辞める詐欺をすることで理不尽な職場から自分を守っている人がいたりします。
今回もリクエストを頂戴しましたので、「理不尽な介護事業所から身を守る効果的な辞める辞める詐欺のやり方」について記事を書きたいと思います。
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理不尽な介護事業所から身を守る効果的な辞める辞める詐欺のやり方
冒頭でも申し上げた通り、「辞める辞める詐欺」は推奨されるものではありません。
しかしながら、「理不尽な介護事業所から自分を守るために仕方なく辞める辞める詐欺をやらざるを得ない」という場合が全くないとは限りません。
そんな時の効果的な辞める辞める詐欺のやり方をご紹介します。
やり方①:一人前の仕事ができる存在でいること
辞める辞める詐欺は違法でも犯罪でもありませんが、この行為に民法を適用すると民法第93条の「心裡留保(しんりりゅうほ)」に該当すると考えられます。
(心裡留保)
第九十三条 意思表示は、表意者がその真意ではないことを知ってしたときであっても、そのためにその効力を妨げられない。ただし、相手方がその意思表示が表意者の真意ではないことを知り、又は知ることができたときは、その意思表示は、無効とする。
【引用元】民法
心裡留保とは本心でないと自分でわかっていながら本心ではないことを言う行為であるため、辞める気がないのに「辞める」と発してしまう辞める辞める詐欺は心裡留保の状態だと言えるでしょう。
では、この心裡留保の法律的効果はどうなるかと言うと、「原則有効」となります。
つまり、辞める辞める詐欺をした場合に、相手(上司や会社)が承諾してしまえば有効になるため、いくら本心ではなくとも「本当に辞めなければならなくなる」のです。
「辞める」という意思表示は本心ではないわけですから、本当に辞めなくてはならなくなったら辞める辞める詐欺の意味が無くなってしまいます。
ですから、辞める辞める詐欺を効果的に実行するためには、上司や会社から退職を引き止められる存在でなくてはなりません。
もしも、一人前の仕事ができないような職員であった場合は、引き止められることもなく辞意が受理される可能性が高くなり本末転倒となってしまうので、「最低限、一人前の仕事ができて上司から引き止められるような存在」である必要があるのです。
但し、猫の手でも借りたいほど人員不足の介護事業所であれば一人前の仕事ができない人材でも引き止められることは十分にあるでしょう。
しかし、その状態での辞める辞める詐欺は効果的とは言えませんし、仮に引き止められることになったとしても現場内で地雷扱いされ押し付け合いとなるため益々職場環境が悪化する要因にもなり得ます。
詳しくは下記記事にまとめていますのでご参照下さい。
やり方②:辞めると言う前に布石を打っておく
理不尽な職場から自分の身を守るための辞める辞める詐欺を効果的に実行するためには、辞意を伝える前に布石を打っておくことも有効でしょう。
要は、「辞めるかもしれないということをにおわしておく」ということです。
布石の具体的な内容としては、
- 持病や腰痛があって無理はできない
- 賃金が安すぎて生活していくのが困難
- 職場環境が劣悪すぎて働き続けられないかもしれない
などの「真実」を事前に上司等に伝えておくことになります。
こうした伏線を張っておくことで、辞める辞める詐欺を実行した時の
- 信憑性が増す
- 我慢の限界であるという気持ちが伝わりやすくなる
- 本当は辞めたくはないけど致し方なくという雰囲気が伝わる
- 布石とした問題の解決を真剣に考えて貰える
などの相乗効果を生み出すことができるため効果的です。
但し、布石は真実のものにしておかないと「ただの嘘つき」「上司や現場を攪乱させる要注意人物」になってしまい効果が半減どころか全く無くなってしまうため注意が必要です。
やり方③:あくまで自分を守るためだということを忘れない
辞める辞める詐欺をする人の心理は、「自分を守るため」という目的ばかりではなく、「自己満足や自己顕示欲」「職場に対する逆恨みや仕返し」「ストレス発散や口癖」という悪意に満ち満ちたものもあり得ます。
どちらにしても共通しているのは「少なからず周囲に迷惑を掛けてしまうこと」です。
あまりに酷いと、
- ただの厄介者
- 現場運営に支障を来たす要注意人物
- 本当に辞めてくれた方がせいせいする嫌われ者
になってしまうことになるでしょう。
ですから、辞める辞める詐欺を効果的に実行するためには、極力周りに迷惑を掛けない頻度と範囲で「あくまで自分を守るために致し方がなくしている」ということを忘れないように立ち振る舞うことが大切です。
上司や周りのスタッフから反感を買うような辞める辞める詐欺をやり続けていると、いつか本当に厄介払いされてしまうことでしょう。
最後に
今回はリクエストにお応えして、「理不尽な介護事業所から身を守る効果的な辞める辞める詐欺のやり方」についてご紹介しました。
まとめると、
- 自分自身が一人前の仕事ができる存在でいること
- 辞意を伝える前に具体的、且つ、嘘ではない布石を打っておくこと
- あくまで自分を守るための苦肉の策であることを忘れないこと
になります。
辞める辞める詐欺は少なからず周囲に迷惑を掛けることになりますので推奨できるものではありませんが、理不尽な職場環境の中で自分を守るために結果的に辞める辞める詐欺になってしまうこともあることでしょう。
「そんなに職場環境が理不尽でブラックなら本当に辞めた方が早いのでは?」というご意見もごもっともですし私もそう思います。
ただ、色々と個人的な都合や家庭の事情があったり転職するたびに理不尽な職場に当たってしまうなど、簡単に退職するという判断をすることが難しい場合もあるのではないでしょうか。
つまり、退職や転職も万能ではなく、自分を守りながら働く方法はTPO(時と場所と場合)によって使い分けていくことが必要なのです。