介護職員を辞めたい

退職時に「全部の部署やユニットに菓子折りを配って回る」介護施設の悪しき慣習

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日本には退職する時に会社やお世話になった人に「菓子折り」を渡す風習があります。

もちろん、渡さない場合もありますので、結局は「事業所個々の慣習とかしきたり」による部分が大きいかと思われます。

過去に退職していった人が、必ず菓子折りを配っていれば、その行動を真似て、「退職する際は菓子折りを持って行くのはマナー」ということが受け継がれていくことになります。

私の経験上、この「退職時に菓子折り」という慣習は介護業界に特に根強いように感じています。

そして、介護施設であるが故に、「退職時の菓子折りに違和感を覚えてしまうことが多い」ため、そのことについて記事を書きたいと思います。

 

 

 

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退職時に菓子折りを渡す理由

 

そもそも、退職時に菓子折りを持って行くのは、どういう意味があるのでしょうか。

 

①お世話になったお礼

お世話になった人に、その感謝の気持ちを伝えるとともに「お礼のしるし」として菓子折りを渡します。

菓子折りがある方が「気持ちが伝わりやすい」という効果も期待できます。

 

②場の雰囲気を和ませる

菓子折りをもらって嬉しくない人はいません。

ただ単に「お世話になりました」と伝えるだけよりも、菓子折りを渡すことで場の雰囲気が和んだり、話を切り出しやすくなったりします。

社交辞令としても使います。

 

③形式的

「マナー」とか「慣習」として、感謝の気持ちのあるなしに関わらず菓子折りを形式的に渡します。

 

 

 

退職時に菓子折りを渡す相手

 

では、退職時に菓子折りを渡す相手は誰になるのでしょうか。

 

一般的な会社の場合

一般的には

  • 自分のいた部署
  • お世話になった部署
  • お世話になった人

で充分です。

中小企業であれば、全員に行き渡るだけの数が入った菓子折りを1つ準備して、上司や社長に渡せば充分でしょう。

 

介護施設の場合

違和感を覚えてしまうのは、介護施設で菓子折りを渡す場合です。

その違和感の原因は、(社交辞令であっても)お世話になった部署やセクションが多すぎるのと、介護職というひとつの部署が「ユニット」や「フロア」で分けられているからです。

 

お世話になった部署が多い

介護現場は「多職種連携」を行っているために、多くの専門職と関わり合いを持って働いています。

そうなると、施設内の殆どの職員や部署には「お世話になっている」ということになります。

ざっと挙げてみても

  • 介護職
  • 看護師
  • 介護支援専門員
  • 生活相談員
  • 管理栄養士
  • リハビリ職(理学療法士や作業療法士)

などのセクションがあります。

直接介護には関係ありませんが、事務職員や施設併設の託児所の保育士にもお世話になったとすれば更に増えます。

 

介護職がユニットやフロアで区分けされている

介護職もひとつの部署でありセクションなのですが、介護施設ではユニットやフロアで所属する場所が分けられています。

もちろん、自分が働いていたユニットやフロアには菓子折りを渡すとして、他のユニットやフロアにも渡すとなると数が増えます。

他のユニットやフロアの介護職員であっても、職員が足りない時に応援で行き来したり、夜勤では多少なりともお世話になっているはずです。

 

併設の事業所が他にもあれば更に悩ましい

介護施設には併設のデイサービスがあったり、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所があると、どの範囲まで菓子折りを配ればいいのかわからなくなってしまいます。

 

 

 

介護施設の退職時の現状

 

介護施設を退職していく職員は、現状で菓子折りを配って回っています。

問題は「どの範囲まで」「どのセクションまで」配るのか、ということになります。

職員個々で多少は違ってきますが、共通しているのは

  • 介護職のいる全ユニット(フロア)
  • 事務所
  • その他、自分がお世話になったセクション

になります。

ユニットの数がいくつあるのかによっても変わってきますが、介護職員は退職時に「5個~10個の菓子折り」をぶら下げて配って回っていることになります。

 

 

 

悪しき慣習からの解放

 

退職時の菓子折りはマナーと言われるものの、絶対ではありません。

ましてや、介護施設では持ちきれないくらいの数の菓子折りを持って行き、配らなくてはなりません。

退職する職員はサンタクロースではないのですから、こういった光景を見ていると違和感しか感じません。

 

違和感だらけ

特に介護業界や福祉というものは、利用者やその家族から金品や菓子折りどころかお茶一杯でも頂くことは「倫理に反する」と言っている業界のはずです(実際の現場がその通りかどうかは別として)。

それなのに、「職員が退職する際の菓子折りは喜んで受け取る」というのも違和感を覚えます。

また、そもそも薄給である介護職員が5個も10個も菓子折りを準備すると「余計なお金」が掛かります。

辞める時まで「少ない給料の中から余計なお金を使わざるを得ない状況」にも違和感を覚えます。

 

「菓子折りを配らない」という選択肢

絶対ではないのですから、介護施設であっても菓子折りを配らないという選択肢はないのでしょうか。

  • 辞めていった人全員が菓子折りを配っていたので自分だけしないわけにはいかない
  • 円満に退職するためのひとつのアイテムとして使う
  • 菓子折りを持って行かなかったことで陰口を言われたり悪いイメージを与えたくない

という気持ちがあり、やはり配って回ってしまう人が多いのではないでしょうか。

「辞めるのだから、陰口や印象が悪くなっても関係ない」とは言うものの、転職先が同じ介護業界の場合、(特に居宅系の場合は)業務上で関わりを持ったり、社外研修などで再び顔を合わせる可能性もあります。

転職先の会社にあることない事を吹聴されてしまう可能性だってないわけではありません。

普通に考えて、一般の会社であればあまりそういうことはないでしょうが、介護業界には

  • 性格が悪い人
  • 他人のことが気になる人
  • 他人の噂話が大好きな人
  • 他人の不幸が大好きな人
  • 陰口を言う事が生きがいになっている人

が多数存在しています。

考えれば考えるほど「スケールの小さいムラ社会」なのです。

介護業界には性格が良くて優しい人間などいない

 

サンタクロースからの解放

退職時にサンタクロースのように沢山のプレゼント(菓子折り)を抱えて配って回るという悪しき慣習から解放されるにはどうすればいいのでしょうか。

この答えは「自分自身が、そんなことはしない」という方法しかありません。

菓子折りを配らないからと言って、何も悪いことをしているわけでも後ろめたいことでもありません。

その代わり、お世話になった人に対しては「しっかりと丁寧に感謝を伝えお礼を述べる」ことです。

陰口を叩かれようが、悪いイメージを持たれようが、またどこかで顔を合わせようが「関係ない」と割り切ってしまうことが重要です。

 

 

 

最後に

 

今回は「介護施設を退職する際に、全部署や全セクションに菓子折りを配って回る悪しき慣習」について記事を書きました。

「立つ鳥跡を濁さず」ということわざがありますが、そもそも「菓子折りを配って回るという慣習」が無ければ跡を濁す原因もなかったわけです。

どちらにしても、菓子折りを配りたければ配ればいいですし、配りたくなければ配らなければいいと思います。

その後の自分の人生は、そんなことでは大して変わりません。

もっと言えば「人員不足の介護事業所こそ、職員に菓子折りを配って回ればいいのに」とさえ思う次第です。

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