多くの事業所では介護職員の退職の多さ(離職率)に頭を悩ませているのではないでしょうか。
もちろん、最近は職場環境を健全化することによって職員の定着率が高い事業所も増えてきていますが、職員を大切にできていない事業所はまだまだ人材不足に悩まされているのです。
介護職員を辞めていく人の中には
「自分は介護に向いていない」
と思い悩んで辞めていく人もいます。
しかし、介護現場の実情を知れば「介護に向いている人と続けられる人は全く別物」だということに気づきます。
その矛盾した現実について記事を書きたいと思います。
介護職が「向いている人」と「続けられる人」
介護職が「向いている人」と「続けられる人」の特徴にはどのようなものがあるのでしょうか。
「介護職に向いている人」の特徴
- 自己啓発を怠らず自己研鑽に励むことができる
- 些細な変化や間違いを見逃さない(気づける)
- 同じミスを繰り返さない(学習能力)
- 人の思いが汲み取れる
- 利用者本位のケアを行う
- 臨機応変に状況を判断して冷静に対応できる
- 敏感、繊細、感性豊か
- 献身性が高く忍耐強い
「介護職を続けられる人」の特徴
- 面倒くさい仕事はしない(人に押し付ける)
- ゴマを擦るのが上手い
- 神経が図太く気が強い
- 自分に自信があり自己中心的
- 責任を他人に押し付ける
- 鈍感、愚鈍、怠慢
- 噂好きで喋ってばかりいる
- 些細な事やミスをしても気にしない
- 同じミスを何度も繰り返す
- 気づいていても気づかないフリをする
介護現場の矛盾の理由
上記のように、介護現場では「向いている人と続けられる人」は全く別になります。
何故、そんな矛盾が発生してしまうのでしょうか。
介護職に向いているのに続けられない理由
- 気づきすぎることによって業務負担が増えてしまう
- 繊細で人の気持ちを汲み取れることで精神的に参ってしまう
- 忍耐強く自己犠牲を払うことで肉体的にも精神的にも限界がきてしまう
- 理不尽なことでも受け入れて働き続けることでストレス過多になってしまう
- 自分の努力が評価されない職場に幻滅してしまう
介護職に向いていないのに続けられる理由
- 自分がやらなくても誰かがやらなければ業務が回らない職場環境
- 現場の不公平や不平等を黙認している上司や事業所
- 業務や責任が少ないので働きやすい
- 弁が立つ人の方が発言力が強くなる職場の雰囲気
最後に
今回は「介護職員に向いている人と続けられる人の特徴は全く違っており、介護現場では矛盾した理由と実情がある」ということについて記事を書きました。
介護現場では、「努力している人や気づける人に業務負担や責任が大きくのしかかってくる上に評価もされない」という実情があり、介護職員を続けにくい土壌があります。
逆に、「面倒な仕事を他人に押し付けたり気づけない人の方が働きやすい」という本末転倒な現実があります。
その結果、資質やレベルの低い職員ばかりが勤続年数が長くなり「出世や昇格をしていき下の職員に指導する立場になる」という悪循環になっています。
「介護職に向いている人がずっと働き続けられる」ような職場環境を整備していくことが、離職率を抑えたり人材不足を解消していく重要なポイントとなります。