介護の基礎知識

褥瘡(じょくそう)は介護職の恥?

投稿日:2019年3月22日 更新日:

 

長らく介護職員をしてきて、よく耳にするのが

「褥瘡(じょくそう)は介護職の恥」

という言葉です。

つまり、「利用者に褥瘡を作ってしまう(出来てしまう)のは、介護職員として恥ずべきことなんだ」という意味になります。

今回は「褥瘡は介護職の恥」と言われることについて記事を書きたいと思います。

 

 

 

(スポンサーリンク)


「褥瘡(じょくそう)」とは

 

世間一般の人にはあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、「褥瘡」とは要は「床ずれ」のことです。

寝たきりの利用者の体位交換を適切に行わなかったり、長時間同じ個所の皮膚が圧迫されることで発生します。

皮膚が長時間圧迫されると「栄養」や「酸素」や「血流」が滞ったり、行き届かなくなり、皮膚が傷つくことで発生します。

初期の段階で適切な対応や処置をしないと、どんどん悪化し進行してしまうと外科的な処置が必要になるくらい深刻なものになります。

「NPUAP/EPUAPによる褥瘡の分類」で下記の図のように分類されています。

 

 

 

初期の段階(皮膚が剥離していない状態)で「褥瘡か褥瘡でないかの見分け方」として、発赤部分の「指押し法」という方法があります。

褥瘡ではない発赤(例えば虫刺されや一時的な紅潮等)であれば、その部分を指で3秒押さえると「皮膚が白く変化」します。

当然、指を離すとまた赤色に戻るのですが、褥瘡の場合は指で3秒押さえても皮膚が白く変化しません

指で押さえても赤いままなのです。

その場合「褥瘡の可能性が高い」という判断ができます。

※「褥瘡予防・管理ガイドライン」を根拠としています。

 

 

 

褥瘡になりやすい人は?

 

褥瘡の原因は、長時間の皮膚の圧迫による壊死なのですから「寝たきりの人」がなりやすいです。

しかし、実際には、他にも褥瘡になりやすい人が存在します。

  • 低栄養(食事摂取量が少ない人)
  • 湿潤(尿や汗などで常に皮膚が湿っている人)
  • 特定の病気がある人(うっ血性心不全、骨盤骨折、脊髄損傷、糖尿病、脳血管疾患、慢性閉塞性肺疾患など)
  • 摩擦(介助や自動運動で皮膚の摩擦が発生しやすい人)
  • 骨の突出(痩せすぎている人)

などになります。

つまり、「寝たきりの利用者だけを気に掛けていればいいというわけではない」ということになります。

 

 

 

褥瘡は介護職の恥?

 

介護職員としては、「寝たきりの利用者の体位交換を頻繁にすれば褥瘡を防げる」という点から、褥瘡を作ってしまうことは「介護のプロとして体位交換を怠った結果であるから恥に思え」ということを言われてきました。

上記に当てはまる全ての利用者の褥瘡に留意するのは当然ですが、恐らく各事業所内に「褥瘡対策委員会」というものが存在するかと思います。

その委員会で、スケールを使って褥瘡リスクに対するアセスメントや評価をしたりして、特に注意すべき利用者を特定していることと思います。

しかし、実際には2時間~3時間ごとに利用者の体位交換を行っていても、褥瘡が出来てしまうことがあります。

体位交換の時間間隔には利用者個々の状態によって、褥瘡の発生時間は変わってくるのです。

つまり、「どれくらいの時間間隔で体位交換をすればいいのか」ということにエビデンス(根拠)がないので、事業所や委員会から標準指定されている時間で体位交換を行っています。

(極端な話、5分に1回体位交換が出来れば褥瘡リスクは大幅に軽減しますが、職員にとっても、利用者にとっても「それはちょっと不憫な状態」です)

つまり「規定通り体位交換をしていても褥瘡は発生してしまう」というリスクは避けられないのです。

もちろん、体位交換でそのリスクを軽減させることが大切なわけですが、「どんなに頑張っても現状ではリスクをゼロにはできず、それを以て介護職の恥と言われる筋合いもない」ということになります。

 

 

 

介護職として大切なことは?

 

利用者に褥瘡が出来てしまうと、申し訳なく思ったり不憫に思ったりするのですが、本当に大切なことは

①早期発見

②初期段階での対応

になります。

 

①早期発見

排泄交換時や入浴時などに、利用者の皮膚状態の観察を行います。

皮膚が赤くなっていたり、剥離(はくり)していれば、すぐに看護師に報告を行います。

「早期発見」も介護職員の専門性のひとつです。

状態を確認し、必要に応じて看護師に報告しましょう。

 

②初期段階での対応

発赤だけの状態ならば、まだ初期段階です。

医療的な処置や薬が無くても「体位交換」で軽快することが可能になります。

皮膚剥離してしまっていれば軟膏の塗布やフィルム保護等の処置(看護師が行う)が必要になってくる場合もありますが、これも初期段階であれば体位交換と並行して行うことで軽快します。

体圧を分散させるベッドマットや座布団が使用できれば尚良しです。

要は「これ以上悪化させないこと」がとても大切なのです。

 

 

 

最後に

 

今回は「利用者に褥瘡が出来てしまうのは介護職の恥なのか」ということについて記事を書きました。

恐らく「注意喚起」「努力義務」として使われているのだと思われます。

しかし、何でもかんでも現場の介護職員に責任を押し付けられている風潮にはとても嫌悪感を感じています。

ですから「褥瘡は介護職の恥」などと言われることも嫌悪感を感じてしまうわけですが、実際には恥でも何でもなくて、「早期発見」や「初期段階での対応」の方が重要だということです。

もちろん、最初から褥瘡を発生させないことは大切です。

しかし「褥瘡の発生リスクは介護職員の対応だけではゼロにできない」ということがわかれば、謂れなき非難です。

まずは、正しい知識と介護技術を身に着け、褥瘡の対策には事業所全体で対応していくことが重要です。

アドセンス

(スポンサーリンク)


アドセンス

(スポンサーリンク)


ランキングバナー

最後まで読んで頂きありがとうございました!

ブログランキングに参加しています。
記事が「まぁ良かったんじゃない?」「また読みに来てあげてもいいよ」と思って頂けましたら是非、応援&シェアを宜しくお願いします^^

記事更新のモチベーションが上がります。

にほんブログ村 介護ブログ 介護職へ
にほんブログ村


介護職員ランキング

楽天ウェジェット

【PR】


かいご畑アフィリ




【働きながら無料で資格取得できる制度のご紹介】



★介護職員初任者研修
★介護職員実務者研修
★介護福祉士国家資格受験対策講座(短期集中講座)

などの講座を「働きながら」「無料」で受講することができるのが「キャリアアップ応援制度」です。

【こんな人におすすめ!】

★介護のお仕事が初めての方
★無資格で働きながら、資格取得をしたい方
★ブランクがあり、介護の仕事復帰を考えている方
★すでに介護職として就業していて転職したいと考えている方
★経験や資格があり、好条件で転職をしたい方
★30秒で登録してすぐに利用開始したい方

>>>働きながら無料で資格取得できる「かいご畑」はこちら



おすすめ記事5選

1

  どの業界にも、大なり小なり「新人いじめ」「新人いびり」が存在するかとは思いますが、介護業界は特にそういった「新人へのつらい仕打ち」が深刻化しています。 人材不足が深刻な業界なのに、何故、 ...

2

  前回の記事で、「言いたいことが言えない介護職員の5つの特徴と原因」についてご紹介しましたが、今回はその続きで「改善方法や解決方法」についてご紹介したいと思います。 解決方法は大きく分けて ...

3

  今まで何度か発信してきていますが、給料(収入)は年収で考えることが重要です。 例えば、 「特定処遇改善加算手当で月2万円アップしました!」 「月給30万円の求人募集があります!」 という ...

4

  介護業界で働く多くの人は「介護保険制度下の事業所」だと思います。 介護保険制度下では、財源が乏しく、現状で「最低の待遇で最高のサービスを求められる異常な実情」については下記記事で書きまし ...

5

  以前、自分の職業を聞かれた時に「介護士です」と言いたくない理由について記事を書きました。 【1分で読める】職業を聞かれた時に「介護士です」と言いたくない理由「恥ずかしいから?」 これには ...

-介護の基礎知識
-, ,

Copyright© 介護職員Aのひとりごと , 2020 All Rights Reserved Powered by STINGER.