リアル介護現場の実情

高齢者介護と障害者介護の違いは?共通点もあるのでどっちも経験してみるのもあり

投稿日:2020年3月18日 更新日:

 

「介護」と言えば「介護保険制度=高齢者介護」というように思い浮かぶのですが、介護には高齢者介護だけでなく障害者介護もあります。

私自身も高齢者介護しか経験がありませんが、障害者施設で介護職員(生活支援員)として働いている人もいらっしゃるでしょうし、両方経験されている人もいらっしゃることでしょう(既に在宅介護サービスでは混在していたりします)。

同じ「介護」ではありますが、対象利用者が違うため高齢者介護しか経験がない人にとっては障害者介護の現場が気になったりします。

私の身の周りで障害者施設から高齢者施設へ転職して来られた介護職が何人かいますが、何故かその逆はあまりいません(もし行っていたとしても接点がなくなるためわからないだけかもしれませんが)。

今回は、リクエストを頂きましたので、障害者介護の現場から高齢者介護の現場に来られた介護職からの情報や色々調べてみた情報を元に「高齢者介護と障害者介護の違いや共通点」について記事を書きたいと思います。

 

 

 

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高齢者介護と障害者介護の違いと共通点

 

 

それでは早速、高齢者介護と障害者介護の違いと共通点をみていきたいと思います。

 

制度

そもそも、高齢者介護と障害者介護では制度が違います。

高齢者介護は「介護保険制度」で、障害者介護は「障害者施策」に含まれています。

主要法令で言えば、高齢者介護が「介護保険法」となり、障害者介護が「障害者総合支援法」という違いがあります。

制度も主要法令も違うのですが、2018年4月の介護報酬改定(同時に障害者総合支援法も改正)の際に「両者を統合していこう」という方針になっています。

つまり、「制度も法律も対象利用者も違うけど同じ介護なのだから両者をドッキングさせてしまおう」というものです。

これが、新しくスタートした「共生型サービス」と呼ばれるものです。

私は、この共生型サービスという方針になったことを知った時に「高齢者介護施設でも障害者を受け入れていくことになれば現場はどうなってしまうんだろう」と一人で勝手に戦々恐々としていましたが、あれから2年経った現在でも何の変化もありません。

要は、基本的には「訪問介護」「通所介護」「ショートステイ」に該当する施設を共生型サービス事業所として運営することができるというもので、どの介護施設でもそうできるというものではなく、又、必ずそうしなければならないというものではないのです。

そもそも、本当に高齢者と障害者が共生したり、総合的に介護を提供していくためには課題も多く残っています。

 

対象利用者

高齢者介護と障害者介護では対象利用者も違います。

高齢者介護では基本的に高齢者を対象としていて、障害者介護では障害者を対象としています。

但し、例外もあって高齢者介護でも国が定める特定疾病に該当する場合は40歳~65歳未満でも介護サービスを受けることができます(参考:厚生労働省ホームページ「特定疾病の選定基準の考え方」)。

ですから、特養であっても条件を満たしていれば40歳の人も入所可能です。

また、よくよく考えれば高齢者施設でも障害者手帳を持っている高齢者が入所してくることがあります。

身体障害者が65歳以上になり要介護認定又は要支援認定を受けられる場合は、基本的に介護保険サービスを利用することになるからです。

ですから、高齢者介護施設の介護職でも障害者を全く知らないわけではなく「身体障害のある高齢者」の介護を経験したことがある人も多いのではないでしょうか。

しかし、高齢者施設の介護職員は、障害者の介護をしているというよりも「体の不自由なお年寄りの介護をしている」という感覚です。

それは、介護職個々の意識の問題だけでなく高齢者施設と障害者施設の目的や機能が共通している部分もある中で異なっている部分もあるため、高齢者介護施設の中ではそういう感覚になって当然なのです。

両者の目的や機能については後述します。

高齢者施設にも色々な利用者がいますが、障害者施設を利用している人の障害には大きく分けて以下の3つがあります。

  • 身体障害
  • 知的障害
  • 精神障害

それぞれ特化した施設や一緒に生活している施設もあり、個々の状態に合わせて介護をしていかなければならない点は共通しています。

 

 

施設の目的や機能

高齢者施設と障害者施設ではその目的や機能が共通している点と異なっている点があります。

サービス形態によっても様々ですが、高齢者施設の場合は、

  • 自立支援
  • 身体介護(食事・排泄・入浴)
  • 体調や健康管理
  • レクリエーション

などを基本として、施設形態によっては、

  • 在宅復帰
  • 終の棲家
  • 看取りケア

というような目的や機能があります。

障害者施設にもサービス形態によって多少は違ってくるものの、

  • 自立訓練
  • 身体介護(食事・排泄・入浴)
  • 体調や健康管理
  • レクリエーション

などを基本として、施設形態によっては、

  • 就労支援
  • 就労後の職場の定着支援
  • 一人暮らし支援
  • 文化的活動の支援

というような目的や機能があります。

高齢者の多くは仕事も引退して介護サービスを利用しており、残りの人生を自分らしく過ごし生きざまが最期の時に帰結するように支援していくというイメージですが、障害者の場合はまだ若い世代の人も多いため、「自立した生活もしたい」「仕事もしたい」「恋もしたい」というニーズがあるため末広がりの人生を支援していくイメージになろうかと思います(高齢者でも恋をしたいというニーズはあるでしょうし、障害者でも重度の寝たきりの人もいるため一概には言えませんがあくまでイメージです)。

 

 

 

障害者施設経験者の体験談

 

 

入所系の障害者施設に勤務されていて、高齢者施設に転職された介護職から聞いた体験談をご紹介したいと思います。

但し、あくまで個人の見解ですので参考程度にお読み下さい。

 

大半がレク

高齢者介護で言えばレクリエーションになりますが、障害者介護ではレクも含めて生活介護になります。

もちろん、訴えがあれば適宜トイレ誘導などもしますが、午前午後の大半が散歩や体操をしたり折り紙を折ったり内職をするなどレク的な活動を見守りしたり支援します。

高齢者介護で言えば、デイサービスに近い感じでしょうか。

 

声掛けより体を使う

高齢者介護ではまずは声掛けから入ります。

障害者介護でも声掛けをしますが、理解が不十分だったり伝わらないことが多いため、手話やジェスチャーやボディランゲージなどの「非言語コミュニケーション」を多用するようです。

もちろん、高齢者介護の現場でも認知症者など言葉での理解が不十分な場合はジェスチャーなどを併用したりしますが、障害者介護ではその頻度が高いのです。

介護現場での非言語コミュニケーションの重要性

 

利用者がパニックになることがある

高齢者介護の現場では利用者が「不穏」になることはありますが、「パニック」という状況はあまりありませんしそういう言葉も使いません。

しかし、障害者介護の現場では時々利用者がパニックになります。

パニックは不穏に似ているようで全く違う状態です。

障害者介護の現場で、利用者がパニックになると介護職(生活支援員)などは落ち着いてもらうための対応を行います。

 

若いから力が強い

高齢者介護を長年やってきた身としては、老人のパワーも侮れないと感じているのですが、障害者介護の現場では利用者が若いため想像を超えるパワーを受け止めなければならない場合もあるようです。

例えば、

  • 他害行為
  • パニック

などです。

生活支援員としては、制止したりなだめたり落ち着いてもらう対応をしなければなりませんが、とても力が強いため制止しきれないこともあります。

そういう意味では、「障害者介護の現場に男手が欲しい」と言われる理由もよくわかります。

 

基本的に同性介助

障害者施設には年頃の利用者もいますので、トイレ介助や入浴介助などのデリケートな介助は基本的に同性介助となっているようです。

確かに思春期や20歳前後の利用者のデリケートな介助を異性の職員が行うのは利用者にも抵抗があるでしょう。

高齢者介護の現場でも同性介助を希望する利用者がいますが、障害者介護の現場では尚更同性介助が必要ということであれば、職員も利用者の男女比に合わせて取り揃えておかなければ現場が回りませんね。

 

 

 

最後に

 

今回は、リクエストにお応えして高齢者介護と障害者介護の違いや共通点について記事を書きました。

ちょうど先日(2020年3月16日)、2016年7月に発生した相模原市の障害者施設での凄惨な事件の死刑判決が横浜地裁で言い渡されています。

この事件は被告の内面的な問題が大きいと感じるものの、障害者介護にも高齢者介護と同じような、又は、全く違うベクトルの闇もあるのかもしれません。

高齢者介護と障害者介護のどちらが楽でどちらがいいということはなく、両者とも大変で制度も支援の目的や在り方も違います。

制度や関係法令の勉強は一からになってしまいますが、共通している部分も多いため、もし興味があるのならどっちも経験してみるのもありではないでしょうか。

 

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