こんな介護事業所は辞めるが吉「5つの悪待遇」

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介護の仕事は今日も明日も人材不足なわけですが、その最大の理由は「待遇の悪さ」です。

「待遇」とひとことで言ってもその内訳を見てみると、結局は

  1. 給料(年収)
  2. 人間関係
  3. 職場での地位
  4. 職場の理念や方針
  5. 将来性

という5つが大部分を占めているのではないでしょうか。

介護業界に限らず、全ての業種において上記5つを満たす職場を探すことの方が困難だということは、多少なりとも社会人を経験すれば理解できるのですが、介護業界においては「どれかひとつ以上をクリアできる事業所を探すことが困難」という特徴があります。

逆に言えば「介護業界でどれかひとつでもクリアできていれば御の字」と言えます。

もっと言えば「どれひとつクリアできていない事業所は辞めるが吉」ということになります。

①給料(年収)

処遇改善手当などにより、給料は徐々に改善傾向にありますが、それでもまだまだ他業種と比べると低空飛行を続けています。

まず私が言っておきたいのは「月給だけを見ずに年収を見ること」です。

たまに「月収30万円」というような求人を目にしますが、「賞与なし」だと結局は「年収360万円」にしかなりません。

「賞与や手当等を含めた年収がいくらなのか」ということが重要です。

介護福祉士国家資格を持っていても、全国の平均年収は360万円程度ではないでしょうか。

年収400万円~500万円であれば、それは「御の字」です。

この現実には、介護保険制度上の財源の問題が大きく関係してきますので、高望みできないのも事実です。

しかし、介護福祉士であれば年収400万円は介護保険制度下であっても可能な範囲だと思われますので、年収400万円以下しか支給していない介護事業所は「待遇が悪い」と言えます。

②人間関係

どの業種や事業所でも存在するのが「人間関係」です。

介護業界においては尚更その劣悪さが突出しています。

その理由は色々ありますが

「介護業界がまだまだ女性社会」

「多職種が同一事業所に在籍する業界」

という理由が大きいかと思います。

医学的にも「男性は左脳型、女性は右脳型」などと言われているように、介護業界には「右脳型の感情的な人が多い」と言えます。

「お局様」と言われる人がどこの事業所にも存在しているのではないでしょうか。

また、様々な職種が一人の利用者を支援していく構造の中で、職種間の職業倫理や社会的地位の差によって「マウンティング」が発生しやすい環境があるのです。

そういう環境に馴染めなかったり、適応することができないと(適応できるだけで相当なスキルがあります)、人間関係に苦しむことになります。

上司は選べない上に、そういう環境が介護業界のスタンダードなのです。

人間関係が劣悪な状態を野放しにしている介護事業所は「待遇が悪い」と言えます。

③職場での地位

先程も申し上げた通り、介護事業所では様々な職種が存在します。

例えば

  • 介護職員
  • 看護師
  • 生活相談員
  • 介護支援専門員
  • 管理栄養士
  • リハビリ職(理学療法士や作業療法士等)
  • 医師

などになります。

そういった職種の中で、「介護職員の地位はまだまだ低い」というのが現状です。

直接、利用者を介護している現場最前線の介護職員だからこそ、現場で臨機応変に対応しようものなら

「介護職員が勝手に判断するな」

などと言われ、業務がしづらい上にイヤな思いまでします。

「職業に貴賤はない」という虚像をリアルに実感できる介護事業所は「待遇が悪い」と言えます。

④職場の理念や方針

基本的にどこの事業所も

「利用者の幸せの追求」

「利用者の笑顔のために」

というような理念や方針となるかと思います。

サービスや制度上、老人がお客様となるわけですから至極当然です。

しかし、福祉介護業界の悪しき点は

「老人の違法行為や犯罪行為や不法行為さえ受け入れる治外法権の現場」

「全て現場職員の自己犠牲で無理やり成り立たせている」

という最大の問題点があります。

「従業員とその家族の幸せがあるからこそ、健全な介護サービスが提供できる」

ということに気づけた事業所だけが今後生き残っていける時代が来るのではないでしょうか。

そこに目を向けなかったり背けてばかりいる介護事業所は「待遇が悪い」と言えます。

⑤将来性

現状で介護職員の将来性は「未知」です。

「未知数」と言えば聞こえがいいですが、現状のまま何もせず普通に働いていれば「介護職員のおじちゃん、おばちゃん」となり、そのまま定年を迎えます。

自分の将来を見つめ、設計していく中で「それでいい」という結論が出ているなら何の問題もありませんが、現実と向き合ってみると「将来性がないのは明らか」です。

そういった現状に「キャリアパスの整備」を推進させている事業所もありますが、その内容もなかなか不透明です(要は形だけ)。

公務員のように年功序列で出世していくわけでもありませんし、大企業のように実力があれば出世できるわけでもありません。

そもそも、介護事業所は職種別でみると介護職員の人数が一番多いのが一般的です。

人数に対して、役職ポストが少なすぎるため、せいぜい主任どまりではないでしょうか。

その上は、ポストが空くまで変わりませんし、定年するまでポストが空かないことの方が多いキャリアパス制度になっています。

そうなれば、今後の収入も大きく変わることもありません。

介護事業所の多くは、「副業」を認めていない所も多いので、他の収入を得ることもできません。

満足な収入を与えていないのに「副業禁止」を就業規則で定め、明確な出世コースも将来性もない介護事業所は「待遇が悪い」と言えます。

最後に

自分にとって、完璧完全な事業所は介護業界に限らずほぼ期待できないということは理解しておく必要があります。

自分の希望を全て満たす事業所があれば「ラッキー」としか言いようがありません。

ですから、「我慢ができること」と「我慢ができないこと」を事前に検討し、覚悟の上で就職するのが介護業界です。

但し、上記5つ全ての待遇が悪い場合は「辞めるが吉」です。

しかし、そうなると「ほとんどの介護事業所を避ける必要が出てくる」というのが介護業界の闇深いところではないでしょうか。

介護業界は万年人材不足なので、転職するにしても就職先には困らないでしょう。

「だからどんどん転職しましょう」

とそそのかすつもりはありません。

個人的な意見としては「介護業界であっても長く勤められるに越したことはない」と思っているからです。

※介護業界に見切りをつけて他業界に転職する人はこの限りではありません。

「就職」も「退職」も「転職」も相当なエネルギーが要ります。

私は人生の中で何度もそういうエネルギーを使うことを「不毛」だと感じます。

転職後、基本的に3か月は試用期間ですし、退職金の支給条件も勤続1年~3年以上だったりします。

そもそも、介護業界において自分の希望を全て満たす事業所を探し出すことは「砂の中から1本の針を探すようなもの」です。

我慢をしつづける必要はありませんが、退職金制度のある事業所なら尚更、出来るだけ長く勤められる努力をするのも人間力であったり、スキルのひとつと言えるのではないでしょうか。

辞めることはいつでもできます。

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