常に人員不足で業務負担が大きく人間関係も良くない介護現場で働いている人も多いのではないでしょうか。
もしもそんな職場であれば「自分を守ることが最優先」です。
どんな職場であれ、自分が最優先であることには変わりませんが、劣悪な労働環境の職場ほど自己犠牲を強いたり、やりがいを搾取するブラック体質が顕著であるため特に肝に銘じておかなければなりません。
過去記事でも少し触れましたが、今回はリクエストを頂きましたので「介護現場で自分を守るための具体的な方法」について記事を書きたいと思います。
※尚、あくまで個人的見解ですので効果や結果を保証するものではありませんのでご了承下さいませ。
介護現場で自分を守る具体的な5つの方法
では早速、私自身が実践しているものも含め「自分を守る具体的な5つの方法」をご紹介していきたいと思います。
①証拠を残しておく
上司などの発言や様々な場面でICレコーダーで録音をする等で証拠を残しておくことは自分を守ることになります。
最近ではスマホでも録音機能がついているのでわざわざICレコーダーを購入する必要もないかもしれません。
上司などからの無理難題や理不尽なパワハラなど、あとで「言った言っていない」という水掛け論にならないためにも録音しておくと良いでしょう。
ここで気になるのは「無断録音(秘密録音)は違法になるのではないのか」ということですが、事前に録音することを伝えてもいいでしょうし、仮に秘密録音する場合でも直ちに違法となるわけではありません。
無断での録音が違法となるケースは、
- 録音してはいけない場所で盗聴をした
- 録音した音声をもとに脅迫などをした
- 録音した音声を無断でインターネット上にアップした
などの場合です。
正しい使い方であれば「証拠として秘密録音することは有効」です。
また、会話が録音されていることがわかれば抑止力となり、上司も理不尽なことを言いにくくなるため効果的です。
録音以外にも、
- メモをしておく(休憩が〇分しか取れなかったとか〇時間残業をした等)
- 自分のタイムカードのコピーを取っておく
などの方法で証拠を残しておきましょう。
②正しく怒る
実は自分を守るためには時には怒ることも必要なのです。
但し、怒りに任せてキレてしまったり傍若無人な振る舞いをするのではなく「正しく怒る」ことが重要です。
アンガーマネジメントの本質も、「怒ってはいけない」ということでなく「正しく怒る」という側面もあります。
上司に歯向かっている、盾突いているのではなく「丁寧な言葉に怒りを込めて意見する」のです。
なかなか匙加減が難しいのですが、要は、
- こちらが怒らないと上司が聞く耳を持たない
- こちらが怒らないと上司が図に乗る
- 上司がこちらの怒りを感じて我に返る
- 一度怒りを示しておくと今後の抑止力になる
- 怒らなかったことを後で後悔して自己嫌悪に陥ることがある
という場合には正しく怒ることが自分を守ることに繋がります。
③ミスを極力しない
誰しもミスをしようと思ってしている人はいないでしょうが、ヒューマンエラーは人が人である以上発生してしまいます。
ミスが重なると信用を失いかねませんし、最終的には責任問題や訴訟問題にまで発展すると自分が窮地に陥ってしまうことにもなります。
ですから、ミスを極力しないことは、ひいては自分を守ることにも繋がります。
ミスを極力しないために、
- 常に目の前のことを疑いながら業務を行う
- 思い込みで業務をしない
- 面倒くさくても手順を絶対に省かない
- 常に安全を第一に考える
ということを徹底しています。
それでも人間ですから、気が緩みミスが発生してしまうこともあるでしょうが、ミス発生後の対応も適正に行うことで自分を守ることになります。
④権利はしっかり主張する
せっかく自分に認められている権利を自ら放棄してしまっては誰も助けてくれません。
せめて自分の権利くらい自分で主張し行使していかなければ自分を守ることさえ出来ません。
ここを上司や事業所の言いなりになり甘んじて権利を放棄してしまえば今まで通り使い潰されるだけでしょう。
例えば、
- 年次有給休暇を事業所が拒否
- 隠れサービス残業の横行
- 各種ハラスメントの横行
などを許していては自分の権利が守れません。
かと言って、確かに主張していけば面倒くさいことも沢山あるのも事実で、「事なかれ主義」になってしまう気持ちもわからなくはありません。
しかし、不健全ではありますが「言った者勝ちの世界」があるのも事実です。
つまり、面倒くさくてもしつこいくらいに主張し、時には正しく怒ることで、介護現場では「権利を行使できる職員」と「権利を行使できない職員」の両極端な職員が存在することになり、自分は前者にならなければならないということです。
自分を守るためにも、自分の権利は自分で主張することが大切です。
⑤行政機関や公的機関を有効活用する
自分を守るためにも、行政機関や公的機関を有効活用しましょう。
介護現場や介護職員が自分を守るために関係してきそうな行政機関や公的機関は、
- 市区町村
- 都道府県
- 労働基準監督署
- 法テラス
などになります。
相談は無料ですし匿名でも受け付けてくれる場合もあります。
ただ、個別具体的な労働問題を労基署に相談し実際に動いてもらうためには素性を明かす必要があるため尻込みしてしまう人が多いのではないでしょうか。
そういう気持ちもわからなくはありませんが、「どっちが悪いのか」「このままでいいのか」ということを冷静に考えなければなりませんし、この時に①でご紹介した証拠が役に立つことでしょう。
最後に
今回は、リクエストにお応えして介護現場で自分を守るための具体的な5つの方法についてご紹介しました。
「言うのは簡単だけど実際にやるのは難しい」と思われている人もいらっしゃるかもしれませんが、つまり「それだけ介護現場で自分を守ることは難しい」ということでもあります。
ただ、私自身が実際にやってみて感じたのは、「どれも1回だけやれば事業所が配慮してくれるようになる」ということです。
本来であれば、ここまでしなくても介護職員が守られるような環境であって欲しいのですが、現状では致し方がない部分もあるのではないでしょうか。
ご紹介した介護現場で自分を守る方法がご参考になれば幸いです。
コメント
大変ありがとうございました。知っていればとても役に立つと思います。
介護職はいろんな理不尽な思いをしていて、それでやめてしまう人も多いと思います。
防御方法を知ってれば、理不尽な思いをしなくてすむし、離職する人も減るんじゃないか?と思います。
だってさ、介護ってすぐ利用者の人権が~とかきれいごと言うじゃない?
それなのに職場ではスタッフの人権が侵されてるのっておかしくない?
そんな職場は結局、利用者も虐待されたりとか人権を侵されてると思います。
さて内容を詳しく見て行きましょう。
①の「証拠を残しておく」ですが、「盗撮盗聴は違法だ」とか言い出す管理者がいますが、「これは盗聴ではありません。あなたたちの嘘を否定するための証拠を残しているのです。」と言えば、一刀両断できます。
またサビ残の証拠はタイムカードを先押しされてたりしたらその現場をすぐ撮影しましょう。自分で日記などにサビ残の記録を残しても証拠として採用されるようですので、「しょうがないな」とあきらめないようにしましょう。
③の「ミスをしない」に関してですが、「今事故が起こりそうだ」という場面には何回もでくわします。
自分一人しかいないけど、歩行不安定な利用者が3人徘徊してるというような状況。
その際に事故になっても「自分は他の人を介助していたのでどうしようもなかった」と明確に不可抗力であったと主張できるように準備しておきましょう。
息を切らして走り回ってギリギリで仕事する必要はありません。
「なんで人をよばないんだ」とか言い出すアフォな管理職がいますが、「呼ぼうとしたら転倒したんです」と主張しましょう。
⑤ですが、市の介護保険課、包括支援センター、労働基準監督署など、主要な機関の電話番号はスマホに登録していつでも電話できるようにしましょう。
理不尽なことを言われたら、「じゃあ今、介護保険課に聞いてみますね?」と電話をかけるふりをしたら、上司はだまるでしょう。
あとは、「ハラスメントがある利用者からの身の守り方」「モンスタークレーマー家族からの身の守り方」があると完璧ですね。
>デイちゃんさん
こんばんは~
コメント&リクエストありがとうございました^^
補足も感謝です。
ハラスメントのある利用者&モンスタークレーマーの件もまた書けたら書いてみますね。
モンスタークレーマー家族に対しては、弁護士に入ってもらい、刑事事件として警察に訴えて威力業務妨害罪や強要罪や恐喝罪に問うか、民事事件として調停や訴訟するかになると思いますが、たぶんそこまでいくとモンスターどもはおとなしくなるんじゃないでしょうかね。
ハラスメント高齢者は・・ちょっと対応が難しいですね。今調べても、適切な声かけを~とか、距離をとるとか、くだらない対処法しか見つかりませんでした。
>デイちゃんさん
返信ありがとうございます^^
なるほど、弁護士の介入とかになるともう事業所や法人レベルでの対応が必要ですね。
事業所や法人の方針や考え方に左右される現実は現場職員としてはキツいですね><
ハラスメント高齢者も最終的には退所や退去に持って行くしか現場職員を守る方法はないのではないでしょうか。
しかし、それも結局は事業所や法人の考えひとつ…という感じですね。
そうなんですよ。それで結局現場の職員に丸投げしてくるでしょ。
でもまあ、訴訟とか賠償とかなったら、顧問弁護士を通してやり取りしてもらえばいいと思うんですけど。
通常なら会社が入ってる保険の範囲で賠償金を払って終わりだと思うんですが、あの特養ナースの事件みたいに個人を訴えてきたら・・ちょっとそれはおかしくない?って感じですよね。
ハラスメント利用者は、スタッフ相手の場合はうやむやにされますよね。でも他の利用者に危害を加えたとなるとさすがにうやむやにはできないので、そうなるとハラスメントさんお断り~となりますね。
>デイちゃんさん
そうなんですよね~
まずは現場に丸投げ&うやむや体質をどうにかする必要がありますね。
他の利用者に危害があれば事業所も困るでしょうし、放置しているとクリアな利用者がハラスメントのある利用者に対して腹に据えかねたりストレスが溜まって怒鳴りだしたりするなどカオスな状況になってしまいますからね。
上手く仕事している人はAさんと同じやり方をしている人が多いですね。
自分もレコーダーはもっていませんが厄介な事になりそうなときはメモ帳にメモして日付と時間書いてます。
記録は自分を守るものだからしっかり記録しておきなさいと昔働いていたケアハウスの施設長が言ってました。
あとはAさんのいうように業務をしっかり行うようにしています。
いつ何があるかわからない業界ですからね。自己防衛に努めて日々是なく仕事していきたいです。
>かずさん
こんばんは~
コメントありがとうございます^^
そう思います。
介護現場では、まずは自己防衛です。