介護の基礎知識

介護支援専門員(ケアマネジャー)は介護福祉士の上位互換ではない理由

投稿日:

 

「介護福祉士資格を取得したら次は介護支援専門員資格を取得するべし」

「介護福祉士の次はケアマネになれば専門性に磨きがかかる」

「介護福祉士よりもケアマネの方が偉い」

「更に上を目指すなら介護福祉士からケアマネジャーになるべし」

などなど、現場の介護職員(介護福祉士)として働いていると誰かから一度は聞いたことのある台詞ではないでしょうか。

しかし、これらは全て間違っています。

結論から言ってしまえば「介護支援専門員は介護福祉士の上位互換(上位職)ではない」のです。

この事実をまだ理解できていない人が意外と多く存在します。

今回は、「介護支援専門員は介護福祉士の上位互換ではない理由」について記事を書きたいと思います。

 

 

 

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ケアマネは介護福祉士の上位互換ではない理由

 

 

確かにケアマネジャーが介護福祉士の上位互換だと勘違いされてしまう理由は多々あります。

例えば

  1. 介護福祉士などの法定資格を持っていないとケアマネ試験の受験資格が得られない
  2. 資格試験の難易度が違う
  3. 介護福祉士は現場で汗水流す肉体労働だがケアマネは事務系の業務
  4. 介護福祉士はケアマネが作成するケアプランに沿って介護を提供している
  5. 介護福祉士は名称独占の資格だが介護支援専門員は業務独占の資格(のように見える)

などが考えられます。

しかし、実際にはケアマネは介護福祉士の上位互換でもなんでもなく「全く別の職種」ということになります。

 

理由①「受験資格の問題」

介護支援専門員になるためには、介護福祉士等の「法定資格」を持っている上で、更に「実務経験が5年以上かつ従事日数が900日以上必要」という厳しい受験資格があります。

この点だけ見れば「介護福祉士の上位資格」のように見えてしまいますが、それは誤解です。

何故なら、法定資格は他にも

  • 医師
  • 歯科医師
  • 薬剤師
  • 保健師
  • 助産師
  • 看護師
  • 准看護師
  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 社会福祉士
  • 介護福祉士
  • 視能訓練士
  • 義肢装具士
  • 歯科衛生士
  • 言語聴覚士
  • あん摩マッサージ指圧師
  • はり師
  • きゅう師
  • 柔道整復師
  • 栄養士
  • 管理栄養士
  • 精神保健福祉士

などがあります。

介護支援専門員が介護福祉士の上位互換だと思っている人は、上記の介護福祉士資格以外の資格所有者にも同じことが言えるでしょうか。

「ケアマネは医師の上位職だ」と言う人はあまりいないでしょう。

つまり、そういうことです。

介護福祉士の上位互換だと勘違いしている人は、「介護福祉士の価値を勝手に下に見てしまっている」と言えるのではないでしょうか。

真実は「上位互換ではなく全く別の職種」ということになります。

 

 

理由②「資格試験の難易度」

一般的に「介護福祉士試験は比較的簡単」で「介護支援専門員試験は難しい」と言われています。

資格試験の難易度や合格率で価値の優劣を決め、勝手に上位互換してしまってはいないでしょうか。

介護福祉士試験と介護支援専門員試験の難易度や合格率はアテになりませんし、それによって優劣もありませんし、結論として上位互換でもありません。

難易度や合格率は国や介護業界の偉いさんが勝手に決めているものであって、そもそも「介護士は沢山欲しいけどケアマネはあまりいらない」という情勢になってきているのです。

ですから、ケアマネ試験はある年度から急に「落とす試験」に変化しています。

その証拠に、ケアマネ試験の第2回までは合格率が40%を超えていますし、その後第7回までは30%を超えています。

要は、資格試験の難易度や合格率は「偉い人のさじ加減ひとつ」なのです。

ですから、資格試験の難易度を根拠に「介護支援専門員を介護福祉士の上位互換」だとは言えないのです。

ケアマネ試験の「受験者数が激減した5つの理由」と「合格率が低迷している3つの理由」

 

 

理由③「肉体労働と事務仕事」

介護福祉士資格者は介護現場で汗水垂らして肉体労働を行うことを生業とし、介護支援専門員はインテークやアセスメントやケアプランの作成等の事務仕事を生業としています。

その様態だけ見れば「優劣や貴賤をつけたくなってしまう」というのもわかります。

しかし、そもそも職種(職業)が違うのです。

そこに優劣や貴賤はありません。

事務仕事がしたければ介護事務員や医療事務員の仕事もあります。

肉体労働は劣っていて事務仕事は優れているという考え方も時代錯誤です。

そもそも、現状の介護職員は事務仕事も山のようにあります。

偏った固定概念やバイアスが掛かってしまっているために「介護支援専門員は介護福祉士の上位互換に見えてしまう」のです。

介護職員が書類仕事をサービス残業で行わざるを得ない実情とは?

 

 

理由④「ケアマネが主導しているように見える」

介護士はケアマネが作成したケアプランに沿って介護サービスを提供しています。

また、サービス担当者会議を行うに当たって招集をしたり調整をしたりするのも介護支援専門員です。

また、居宅ケアマネであれば利用者の介護サービスの調整をしたり、給付管理なども行います。

そうなると、一見ケアマネが主導していて、介護福祉士は使ってもらう側のように見えてしまいます。

確かに、そういう風に勘違いして偉ぶったり横柄な態度を取ってしまっているケアマネも存在するために、業界全体でそういったイメージや風潮が払拭しきれないのも否定しきれませんが、実際は「ケアマネだろうと介護福祉士だろうと1人の利用者を支えるチームの一員」に過ぎません。

そこに優劣も貴賤もないのです。

大切なのは「チーム全体で利用者を支援していく」ということなのです。

ケアマネの意向や意思や感情を優先してしまったら、誰のための何のための介護保険の支援制度なのかわかりません。

司会者が居て演者が居て裏方が居るからお客様に満足してもらえるのであって、どの職種や役割が欠けても成り立たないのは介護業界でも同じなのです。

ですから、「介護支援専門員が介護福祉士の上位互換ではなく業務内容が全く異なったチームの一員である」ということになります。

 

 

理由⑤「名称独占と業務独占」

「介護は誰でもできる」と言われることがあります。

もちろん、無資格未経験でも始めることができるわけですから間違ってはいません。

ただ、誰でもできるはずの介護の仕事なのにやりたいと思う人が少なくて、やり続けられる人は更に少なくなっているという現状にはもっと言及していく必要があるのではないでしょうか。

ポジティブキャンペーンだけでは何も解決しないということは申し加えておきます。

さて、その反面、介護支援専門員の業務は確かに誰でもできるものではありません。

一見「業務独占」のように見えますが、そもそもケアマネ資格は国家資格ではなく公的資格になります。

したがって、国家資格である介護福祉士は更新制度がないのに対して介護支援専門員は5年更新の面倒くさい資格であることは周知の事実です。

また、「地域包括支援センター」においての「介護予防サービス・支援計画書(ケアプラン)」は、介護支援専門員だけでなく社会福祉士や保健師(看護師等)が作成しています。

ですから、ケアプランの作成だけで言えば業務独占とは言い難いものがあります。

介護支援専門員は人員配置基準に定められた職種であり、ケアプランの作成以外にも専売特許的な業務もありますが、そもそも名称独占と業務独占の違いで上位や下位を判断することは正しいとは言えません。

介護福祉士は介護現場最前線を担当し、介護支援専門員はケアマネジメントを担当しているのです。

上も下もない全く異なる職種であるということを理解しておくことが重要です。

介護福祉士は誰でもなれるわけではない理由

 

 

 

最後に

 

今回は、「介護支援専門員は介護福祉士の上位互換ではない理由」について記事を書きました。

各々が異なる業務を担当する別々の職種であるため、優劣も貴賤もありません。

しかし、様々な理由で上位互換だと思われやすい風潮があります。

介護福祉士の上司互換は「認定介護福祉士」になるかと思われますが、その資格要件や取得費用や存在意義などを勘案すると「ちょっと意味がわからない」という気持ちになってしまうのが正直なところです。

また、「介護福祉士の上位互換は看護師だ」という論調もあります。

ケアマネであろうと看護師であろうと、介護福祉士とは全く別の職種になります。

しかしながら、そういった論調があるうちは、介護福祉士の社会的地位が低く見られてしまっている証拠であると言えるのではないでしょうか。

 

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