2019年10月から始まった「特定介護職員等処遇改善加算」についてですが、Twitterなどを拝見しているといくらかは手当や基本給に盛り込まれている人もいらっしゃるようです。
ただ、当初の「業界10年の介護福祉士に月8万円」とは程遠く、平均して1万円~2万円ほどの給料アップが多いように見受けられます。
業界10年だとか8万円だとか大風呂敷を広げた割には、内容は尻すぼみ状態でとても塩らしい結果になったわけですが、実際それが介護職員の手元に届いたのかというと実際問題私もわからない所がありました。
何故なら、介護報酬を国保連に請求してから入金されるまで約2か月ほどあるため、ひょっとしたら12月以降の給料に支給される事業所もあるでしょうし、まだまだ実態が見えづらい部分があるからです。
ちなみに、私自身も事業所から「12月の給料から1万円~2万円程度の手当がつく」とは聞いていたものの、給料日がまだ来ていませんので未だ手にしておりません。
(2019年12月26日追記)
介護職員等特定処遇改善加算が12月分の給料に約2万円ほどついていました。
(追記ここまで)
そんな中、先日他事業所の介護職員たちと情報交換や情報収集をしてきましたので「私の周辺の実態」についてご報告させて頂きたいと思います。
介護職員等特定処遇改善加算の実態
特定処遇加算の実態について詳しくご紹介していきたいと思いますが、結論から言ってしまえば「とても恐ろしいこと」がありました。
以下で詳しく解説していきたいと思います。
各事業所の実態
「ユニット型特養3件」「多床棟特養1件」「老健1件」の合計5事業所についての実態です。
事業所 | 支給実態 | 備考 |
ユニット型特養① | リーダー級以上2万円程度、その他の介護職員1万円程度支給予定 | 12月の給料からなのでまだ支給はされていない(追記:12月分の給料で支給された) |
ユニット型特養② | 支給無し | 事業所からアナウンスさえなし |
ユニット型特養③ | 支給無し | 事業所からアナウンスさえなし |
多床棟特養 | 支給無し | 事業所からアナウンスさえなし |
老健 | 勤続10年以上2万円、その他の介護職員1万2千円の支給あり | 2019年10月から毎月支給されている |
なんと、「支給されない」どころか「アナウンスさえされていない」事業所が過半数を超えていました。
これがどういうことかと言うと、「事業所が加算を取らない」という状況であることが濃厚ではないでしょうか。
もっと問題なのは、アナウンスがないため一般介護職員が情報を得る機会がないということです。
もちろん、加算を取らないのであれば特定処遇改善加算に関して「見える化」や「全職員への周知」も必要がないわけですが、「加算を取るのか取らないのかさえ情報がおりてこない実情」は、働いている介護職員からすればやきもきしてしまう状況でしょう。
中には、「どうなっているのか」を上司に聞いた介護職員もいるようですが「どうだろうねぇ」「わからないねぇ」などと言ってはぐらかされて終わり、という結論になってしまっているようです。
事業所が加算を取らないのであれば、介護職員の給料は1円も上がらないのですから中央政府の施策も無意味だったという結論になります。
やはり「期待しない方がマシの加算」だったということになります。
とても恐ろしいこと「そんなのあり?」
「加算を取らない事業所があり介護職員に一切支給されない」という実態もなかなか恐ろしいのですが、もっと恐ろしいことがありました。
それは、特定処遇改善加算を支給すると言っている事業所が「冬のボーナスを減らしてきた」ということです。
介護職員により減った金額は様々のようですが、「4万円~12万円」という大きな単位でボーナスが減っているようです(独自調べ)。
経営コンサルタントを雇い「経営状態や全職員の査定の見直しなどを行った結果」という体裁にはなっていますが、ボーナスを減らされると特定処遇改善加算を貰ったとしても年収で考えると「ほぼプラマイゼロ」の状態です。
「特定処遇改善加算を支給するけどボーナスを減らします」ということであれば、結局は年収は変わりがないのです。
これは大変恐ろしいことです。
つまり、
- 煙に巻くような見通しの悪い方針
- 事業所の柔軟な運用に任せたお粗末さ
- ボーナスで調整するセコさ
が如実に現れた結果になったのです。
「ボーナスを削減せずに加算手当が1万2千円~2万円支給される事業所がホワイト」というような低レベルな現実の中にいるのです。
消費税や国会議員の給料はいともたやすく上がるのに、介護職員の収入は「微々たるものしか上がらない」「全く上がらない」「上がったように見せかけて実は上がっていない」というのが実態のようです。
これを一言で言うと「期待するだけ損な業界」ということになるでしょう(事業所によるのでしょうが、事業所に重要なポイントを任せてしまう体質も含めて「業界全体の問題」だと言えます)。
本当、「そんなのあり?」という気持ちになりました。
最後に
今回は、リクエスト案件でもあった2019年10月から始まった介護職員等特定処遇改善加算で介護職員の給料はどれだけ上がったのか、ということについて記事を書きました。
もちろん、私の情報収集量が少なすぎるということもあるでしょうが、自分の周りでは記事に書いたような結果となりました。
「加算をつけてボーナスを減らす」という方法は考え得る削減方法ではありますが、まさか恥ずかしげもなく本気で実行してくる事業所があったのは驚きを超えて失笑レベルです。
どこまで「やりがい搾取」が続くのでしょうか。
皆様の事業所では「介護職員等特定処遇改善加算の支給状況」はどんな感じになっていますでしょうか。
コメント
なんだか有給の強制取得みたいな流れですね。
介護含めたサービス業以外の定休制の企業では、ちらほら、法律が施行されたときのために、既定の有給分の休日分を減らして年間休日を予定しているところもあるとかなんとか。しかも、その有給が有給になるのかは別のお話ときたもの。
所詮、福祉は徴税のお題目であって、支払いたくないものというのは百歩譲ってわかります。事業所の方が管理しやすいから、無条件的な支給かと勝手に思っていましたが、個人と同じように、声を上げたところにしか支払わないというのは納得がいきませんね。
仮に、従業員への支払い方法がうやむやを良しとするにしても。(いいとは言っていない)
介護の決まりや法律も人知れず二転三転していると教えて頂いたことを踏まえると、多分、この加算制度も近いうちに撤廃するか、なお、減額か。それとも金額据え置きの脅威の勤続20年以上という基準の引き上げが目に見えていますね。
選挙なんかに行ってくれる人がいるから、与党は変わらずとも前政権がしたことは知りません、なんて言って・・・
>めど立てたい人さん
こんばんは~
コメントありがとうございます^^
そうですね、結局は「事業所の柔軟な運用に委ねた終着駅」なのかもしれませんね。
これから先はどうなるのやら…。
こんにちは。
〇〇〇は、うわさでは1月から支給されるそうですが、時給がいくらアップするとか説明は全くありませんね・・。もう支給しないままな気がしますね。ww
〇〇〇って今、経費申請が全く通らないんですよ。もともと経費3000円以上は本社決済とか意味不明なんですけど。
デイの利用者用トイレが1つ、一年以上壊れたまま。トイレ直すなら10万程度かかるけど、修理申請が通らないから放置されてるとか全く意味がわからない。
・・と思ったら、最近従業員用のトイレが壊れて、当然そのまま放置。
で、今日行ったら、また別の利用者トイレが壊れて使用禁止になってた。
今、利用者減ってるから、ケアマネ見学会をするらしいけど、利用者用トイレが二つも壊れてる状態で見学会したら恥かくだけでしょうに。
Q「なんで利用者増えないんだろう?」
A「スタッフがサボりまくりで、トイレが壊れても直さないようないい加減な事業所なんて、ケアマネが紹介するわけないでしょ」
Q「なんでスタッフ増えないんだろう?」
A「処遇改善もちゃんと払わないで、従業員トイレが壊れても直さないようないい加減な会社なんて、人がくるわけないでしょ」
ものごとには必ず原因と結果があるんです。
そうそう、「利益追求のために経費を認めず、利用者トイレすらも直さないおそるべき事業所」って記事お願いしたいです。なんなら私が代筆でも。wwww
>デイちゃんさん
こんばんは~
コメントありがとうございます^^
なかなかひどい状態ですね><
リクエストの件は、どうぞどうぞ、代筆お願いします(笑)
ウチの施設は介護福祉士もっていて勤続8年以上で月1万2千円が最高で僕は今の施設は出戻り前と出戻ってからの通算で5年3ヶ月なんで6千円ですね。(経験年数は8年以上なんでそれを加味されて)10月分(11月振り込み)から支給されています。施設長の話だと賞与に上乗せすると言っていました。皆少ない、本当に賞与に上乗せするのか?と言ってました。賞与は20日なんでどうなるかわかりませんが、あまり期待しないようにしています。
支給なしとか支給の代わりに賞与なしっていう事業所がでてくるなというのは予想してましたが…。処遇改善加算でも同じやり口やっている所ありましたから。
国も事業所も介護職を騙すような事はやめてほしいですね。だから人手不足になると思います。国や施設の偉いさんは目先の事ばかり考えて現場の事考えてないですから。
>かずさん
こんばんは~
コメントありがとうございます^^
なるほど、6千円~1万2千円の支給になるのですね。
ボーナス自体を減らされることなく無事に上乗せされればいいですね。
そうですね、処遇改善の時と結局は同じ手口になりましたね。
ひどいやり口が多いです><
ウチは賞与はだいたい1.2ヶ月くらいなんですが基本を削ってその分を加算で上乗せして1.2ヶ月分の支給にして、ウチは経営苦しいから加算を上乗せして例年と同じ額をなんとか出しているって手口を使いそうな気もします。みんな施設長を疑ってますね。正直ボクだけでなく皆辞めたいって言ってます。
辞める辞める詐欺もあるしバックレ(未遂)、退職待ち、募集しても誰もこない、人手不足で職員の自己犠牲…Aさんがブログで書いた記事ほとんど当てはまりますから…。
>かずさん
こんばんは~
返信ありがとうございます^^
そういう手口はセコくて嫌ですね。
しかしそれでもまかり通ってしまうシステムにも問題がありますよね。
そりゃ人手不足にもなりますよね。。。
介護職を基本下にみてる施設長ですから。コメントした手口はみんな施設長ならやりかねないって言っています。処遇改善加算も普段少ない分期末手当てで上乗せしますと言って、確かに上乗せしたんですがたった3000円ですからね。みんな怒りを通り越して呆れてました。正直退職待ちしてもらっている職員二人いますがその人達辞めたら回らなくなります。そしたら辞める人続出ですね。
それが恐ろしいですよ。
そうなってこんな施設潰れてほしいって言っている職員もいます。昔はいい法人でしたが前理事長亡くなってから滅茶苦茶です。
>かずさん
施設のトップで社風や方針が全然違ってきますものね。
愛社精神なんて持てなくなってしまいますよね><