ユニット型の介護施設(主に特養)には、各ユニットに「ユニット費」というものが支給されているかと思います。
ユニットリーダーが管理しているユニット費ですが、どういう目的で支給されていて、どういう使い道があるのでしょうか。
今回は、使っても使わなくても小言を言われるユニット費について記事を書きたいと思います。
※事業所によって管理方法や使用状況は多少なりとも違ってきます。
ユニット費とは
まずは、ユニット費とはどういうものなのかを解説していきたいと思います。
目的
ユニット費は利用者や職員から徴収されるものではなく、事業所からユニット運営のために支給される財的資源のことです(ユニットリーダーが出納帳に記入して管理します)。
このユニット費は、職員の親睦や経費で使いなさいというものではありません。
「ユニットの運営や利用者のために使いなさい」という目的の費用になります。
ユニットケアという性質上、「ユニットに権限委譲し運営権限を広く持たせて、自由裁量で使えるユニット費を支給することでより良いケアをしていきましょう」という趣旨のものです。
金額の基準は施設によって違うかと思いますが、「概ね年間1万円前後」ではないでしょうか。
しかし、利用者のために使うと言っても
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などが各々違うため、「全ての利用者に公平に何かを購入する」ということがなかなか難しいのが現状です。
ましてや、特養併設のショートステイであれば、利用者が毎日のように入れ代わり立ち代わりするので、益々ユニット費の使い道に困ってしまうことになります。
使い道
ユニット費は、先ほど申し上げた通り、「ユニット運営に必要なものをユニットの判断で購入できるよう権限を委譲された費用」です。
その使い道は、「入居者の嗜好品」「ユニット行事」「しつらえの費用」などになるわけですが、具体的にはどういうものになるのでしょうか。
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などになろうかと思います。
使っても使わなくても小言を言われる理由
ユニットリーダーが管理し、ユニットに権限委譲されている費用ですが、使っても使わなくても「上司」や「事務員」などから小言を言われることがあります。
使って小言を言われるケース
ユニット費で何かを購入した場合、全利用者に公平でなければ小言を言われます。
例えば「嗜好品」ですが、紅茶を購入した場合
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など、様々な状態の利用者がいるために公平ではなくなります。
レク用にカラオケ機能付きのマイクを購入した場合
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など、様々な状態や趣味嗜好の利用者がいるために公平ではなくなります。
つまり、ユニット費を使う時は「全利用者に公平でなければならない」ということになります。
もちろんそれはそうなのですが、そうなってくると「嗜好品」や「レク用品」は初めから購入候補に挙げてはいけないことになってしまいます。
ただ、事業所によってはその辺がおおらかな所もあることでしょう。
使わずに小言を言われるケース
あれこれ考えているうちに、結局ユニット費を使わずに1年が経過してしまうこともあります。
そうなると、せっかく支給された財的資源が無意味なものになってしまうため「ちゃんと計画を立てて何か購入しなさい」などと小言を言われてしまいます。
しかし、年間約1万円のため結局は大したものは購入できません。
デジカメを購入したいと思っていても、安物なら買えるでしょうが1万円では足りないことが殆どです。
そうなると、2年分か3年分貯めて購入することになります(若しくは協力ユニットで合算して購入)。
小言を言われないためにも「3ヵ年計画でデジカメを購入します」などと先に言っておく必要があります。
※しかし、3年間も自分が同じユニットにいるとは限りませんし、職員が辞めていくたびに行われる「無茶苦茶な異動」によって、その計画も頓挫してしまう可能性があります。
介護施設で行われる滅茶苦茶な異動については、下記記事をチェックしてみて下さい。
最後に
今回は、使っても使わなくても小言を言われるユニット費について、その目的や使い道をご紹介しました。
ユニット費で何かを購入する際は、業務外のプライベートな時間になってしまうところは違和感を感じるシステムです。
ちなみに、私は過去にユニット費でデジカメを購入しました。
もちろん1年分では足りませんので、数年間ユニット費を貯めました。
デジカメがあれば、レクや行事の様子を撮影できますし、物品や設備が破損した箇所を撮影して証拠として残すことも可能です。
ショートステイであれば、利用者の持参品などを撮影しておき忘れ物にならないようにデジカメを活用されている所もあると聞きます。
ユニット費の使い道に悩んでおられる人の参考になれば幸いです。