本日は12月27日ですから、いよいよ暮れも押し迫ってきましたね。
世間では今日が仕事納めで明日から年末年始の休暇に入る人も多いのではないでしょうか。
そんな中、介護施設の介護職員は年末年始も働かなくてはなりません。
もちろん、初めからそういう仕事であることはわかっているため、恨み節を書きたいわけではありません(特別手当くらいは出して欲しいとは思いますが)。
今回は、年末年始も関係なく稼働している介護施設の暮れの挨拶と新年の挨拶の実情について記事を書きたいと思います。
介護施設の暮れの挨拶と新年の挨拶の実情
本来、職場での年末年始の挨拶は「仕事納めの日に暮れの挨拶」をして「年が明けた仕事始めの日に明けの挨拶」をするものです。
では、年末年始が関係ない介護施設の場合、それぞれの挨拶はどのような感じなのでしょうか。
実情①「暮れの挨拶をした翌日に新年の挨拶」
年中無休の介護施設では「暮れの挨拶を翌日に新年の挨拶をする」ということが往々にしてありえます。
このパターンに当てはまるのは、
- 大晦日も元旦も出勤の介護職員
- 大晦日の日に夜勤入りの介護職員
などになります。
12月31日の大晦日の日に出会った職員に「今年はお世話になりました」などと一年のお礼の挨拶をし、翌日の元旦にまた同じ職員と顔を合わせれば「今年も宜しくお願いします」などと新年の挨拶をするのです。
年をまたぐ12月31日と元旦に一緒に過ごしている家族や恋人などではあり得る話ですが、職場の人と連日年末年始の挨拶をするのはなかなか斬新です。
何故なら、本来は職場などの人への新年の挨拶回りやこちらからお伺いして挨拶する場合は元旦を避けるのがマナーとされているからです。
しかし、介護施設の場合は元旦も稼働しているので、あえて挨拶回りをしようと思わなくても一緒に働くことになったり更衣室や廊下などでバッタリ出会ってしまうために、元旦に新年の挨拶をすることになります。
実情②「誰に挨拶したのかわからなくなる」
暮れの挨拶の翌日に新年の挨拶をしたり、会う人会う人に年末年始の挨拶していると、だんだんと誰に暮れの挨拶をして(又はしていなくて)、誰に新年の挨拶をしたのか(又はしていないのか)がだんだんとわからなくなっていきます。
介護施設には様々な職種の人がいて、沢山の職員がいて、色々な勤務時間帯で働いているために、100名近い職員が働いている介護施設では、メモなどをつけてよほど慎重に管理していないと把握できなくなっていくのです。
朝礼や申し送りの場で一斉に複数人に対して挨拶することもあるため、三が日を過ぎた頃には、「あれ、この人には元旦に挨拶をしたようなしていないような…」という状況に陥ります。
気安い仲なら「挨拶しましたっけ?」などと聞けますが、目上の人やそれほど関わりがない人だったら聞くに聞けません。
そうすると、「しないよりはマシだからとりあえず挨拶しておこう」という判断になり、挨拶をしてみると「何回新年の挨拶をするんだ?」「昨日新年の挨拶をしたでしょ」という新年の挨拶の重複が発生して気まずくなったりもします。
また、「新年の挨拶のことばかり考えていられない」「新年の挨拶をしたようなしていないような気がするけどもういいや」という判断をする場合もあります。
ですから、介護施設には「同じ人に2回新年の挨拶をする人とされる人」と「1回も新年の挨拶をしない人とされない人」が存在するのが実情です。
実情③「経営陣と上司には必ず挨拶する」
新年の挨拶は誰にしたのかしていないのかの把握が段々と困難になっていくということを前述しましたが、さすがに経営陣や上司への挨拶を抜かすわけにはいきません。
これは介護施設に限ったことではないのでしょうが、経営陣や上司やお世話になった先輩などには「間違いなく確実に1回だけ年始の挨拶をする」必要があります。
全くしないのも失礼に当たりますし、同じ人に2回挨拶してしまうのも失礼に当たります。
ですから、まずは確実にそれらの人を抜かさないような挨拶の仕方をしているのが実情と言えます。
普段の「おはようございます」などの挨拶は無視したり全然してくれない上司や職員であっても、新年の挨拶だけは返してくれるところが特徴的です。
実情④「経営陣には必死で挨拶をしても利用者は無視」
介護職員の場合は、利用者が生活している空間で働いているのでそういうことはないかと思いますが、あまり現場とは接点がない事務員などは経営陣に対しては必死になって年末年始の挨拶をするのですが利用者をおざなりにしている風景が目についたりします。
もちろん、わざわざ介護現場まで来て利用者一人一人に挨拶をしていたらキリがありませんし時間も足りないことでしょう。
しかし、経営陣や上司がたまたま介護現場にいた場合に、普段は全然介護現場には来ない職種の人達が必死になって介護現場に集まってきて経営陣や上司にだけ挨拶をして帰る風景を何度も見てきました。
挨拶をしに来た本人は経営陣や上司に挨拶を済ませたことで「目的達成」「本願成就」されたのでしょうが、「せめてその周辺にいた利用者だけにでも挨拶があっても良いのではないだろうか」と思った次第です(ちなみに周りにいた介護職員にも目もくれず挨拶もなく帰っていきました)。
例えその利用者に認知症があってもなくてもです。
そういう不健全な状況に気づかないのか気にしていないのかはわかりませんが、部下などが自分に挨拶に来たことで満足気にしているだけの経営陣や上司にも問題があるでしょう。
介護施設での年末年始の挨拶は、こうした「人間としてどうなのかな?」と思うような薄ら寒さを感じてしまう場面があるのも実情です。
最後に
今回は、年末年始も関係なく稼働している介護施設の暮れの挨拶と新年の挨拶の実情について記事を書きました。
特筆すべきは、普段挨拶をしない、返さないような上司であっても新年の挨拶には反応するということです。
やはり日本人にとって新年の挨拶は特別な感情があることが窺えます。
そして、あと数日後には介護施設内に年末年始の挨拶が飛び交う時期になりますが、年末年始も出勤の介護職員の皆様、本当にお疲れ様です。