今まで何度か発信してきていますが、給料(収入)は年収で考えることが重要です。
例えば、
「特定処遇改善加算手当で月2万円アップしました!」
「月給30万円の求人募集があります!」
ということを聞けば、一見良いように思いますが、本当に大切なのは「年収」です。
手当で月2万円上がろうと月給30万円であろうと「年収が減ったら意味がない」のです。
仮に手当がついたり単月の給料が上がったとしても、ボーナスを減らされればプラスマイナス0円だったり結果的に年収が下がっている可能性だってあります。
事業所形態にもよりますが、介護職員(介護福祉士)の平均年収は約360万円と言われています。
今回は、改めて「介護職員の給料は年収で考えよう」ということについて記事を書きたいと思います。
介護職員の給料は年収で考えようのコーナー
毎年12月の給与明細とともに源泉徴収票(年末調整)を貰うかと思います。
その源泉徴収票の左上に提示してある「支払金額」が自分の年収になります。
この金額(年収)は手取りではなく総支給額になりますが、この金額をもとにして考えていく必要があります。
去年と比べて増えたかどうか
まずは、今年の(直近で貰った)源泉徴収票に記載の年収と、昨年の源泉徴収票に記載の年収を比べてみましょう。
多少なりとも上がっていれば御の字です。
もし下がってしまっている場合は危機感を持つ必要があるかもしれません。
介護施設に勤務されている人は、「夜勤手当」によっても増減がありますから、夜勤の回数が昨年よりも減ってしまった場合は年収が下がってしまうこともあるでしょう。
しかし、それにしても夜勤を数多くこなさないと平均的な年収を確保できない制度にも問題があります。
年収360万円は決して高い金額ではありませんが、まずは夜勤手当なしでも年収360万円を確保できるような給与体制であって欲しいものです。
夜勤手当以外の理由で年収が昨年よりも減少している場合は、何がどう減ったのかを確認しておきましょう。
例えば、
- 基本給が減った(あまりないとは思いますが)
- ボーナス(賞与)が減った
- 残業が減った
などです。
基本給が減った
基本給は一般的に雀の涙ほどでも上がっていくものですから、これが減っている場合は事業所の経営状態や方針に何かしらの問題がある可能性があるため注意が必要です。
もちろん、入職当時の労働契約書記載の基本給よりは上でしょうから法的には問題ありませんが、ベースとなる基本給に手をつけてくる事業所は今後一切信用してはいけないと思っています。
ボーナス(賞与)が減った
ボーナスが減っている場合は、「ちょっといやらしい」感じです。
事業所の裁量でどうとでもできる部分ではあるが故に、手がつけやすい(減らしやすい)のがボーナスですが、そもそも減らされる原因は介護職員には一切ありません。
経営者側の勝手な都合と判断になるため、「いやらしい」のです。
また、「経営難を暗示している」という可能性もありますので逃げ出す準備も必要かもしれません。
残業手当が減った
残業が減ったために手当が減って年収も下がってしまった場合は、致し方がない部分もありますが、そもそもある程度の昇給があれば残業手当が減ったところで普通はそれほど年収が減ることもないでしょう。
しかしながら、介護事業所の多くは年間で1000円~3000円程度の塩らしい昇給ですので、残業手当が減った場合は年収が減ってしまうこともあり得ます。
仮に年間の昇給額が平均2000円だとしても10年勤めて2万円の昇給です。
元々の基本給が18万円だとして、10年後にやっと基本給が20万円になる計算ですね。
先が思いやられます…。
大まかな年収額での印象
介護職員の年収を大まかに下記のように分けた場合の肌感覚での印象をご紹介しておきます。
年収金額 | 印象 |
250万円未満 | ワーキングプアレベル |
250万円~360万円未満 | ちょっと少ない |
360万円~400万円未満 | 普通 |
400万円~500万円未満 | まぁまぁ多い |
500万円以上 | 結構多い |
皆さんはどの分類に当てはまるでしょうか。
但し、ここで注意が必要なのは、
「年収400万円以上なんてすごい」
「年収が500万円以上あるなんて神」
ということではなく、そもそもの介護職員の年収が低いために、年収500万円でも神レベルに見えてしまう現実にもっと目を向けなければならないということです。
平成30年度の全産業の平均年収は441万円、公務員の平均年収は686万円となっています。
ひょっとしたら、全産業平均の年収441万円より多く貰っている介護職員もいるかもしれませんが、さすがに公務員の平均年収686万円を超えている介護職員はまず居ないのではないでしょうか。
しかも多くの産業や公務員はそもそも夜勤自体がありませんし、夜勤手当を含めなくてこれだけの平均年収なのです。
介護職員は夜勤手当という起爆剤を投入しても尚、全産業の平均年収に届かない介護職員の年収はやはり少ないと言えるのではないでしょうか。
質と量と対価の関係性
とは言うものの、介護職員にそれほど高い専門性が求められていないのであれば、現在の年収でも御の字の世界です。
- 現状維持
- 誰でもできるようなことを淡々とこなしていく
- 書類やモニタリングはせず介助だけを行っていく
というものであれば、不平不満も出ないことでしょう。
しかし、実際は、
- 更なる専門性を求められる
- 資格者や研修修了者が一部の医療行為も行っていく
- 書類がたくさんありモニタリングにも質が求められる
というような状況になっているのが実情です。
これでは年収を見た時に「割に合わない」と感じる介護職員が増えていってしまっても不思議ではありません。
質を求めるのか、量を求めるのかをハッキリさせていく必要がありますし、もし仮に質を求めていくのならそれなりの対価も必要となってくるのではないでしょうか。
現状では、その三すくみの質と量と対価をうやむやにしたまま、ごちゃまぜにしてしまっているために人材も質も対価も確保できない中途半端な状態であると言えます。
最後に
今回は、介護職員の給料は年収で考えようのコーナーと題して記事を書きました。
目先の1万円や2万円はどうでもいいとは言いませんが、本当に重要なのは「年収が増えているのか減っているのか、又は、変わらないのか」ということになります。
つまり、今月2万円給料が多くても、年収で10万円減っていたら全く意味がないからです(結局マイナスです)。
「月給30万円可能!」といったような求人も見掛けますが、そういう求人があったとしても冷静に年収を考えてみることがとても大切なのです。
コメント
はじめまして。勤続年数が長くなるにつれ 年収が下がっています。
経営者がケチすぎて、健康診断を3年間やっていません。
備品購入も嫌がられまして、全部 自腹購入です。
挙句の果てには、利用者のおやつも自腹になり・・・
税込み年収 290万円で ワーキングプア状態以上です。
辞められない年齢まで務めてしまいましたので、社畜になりつつ
将来を諦めています。
>自腹はツライよ。さん
はじめまして、こんばんは~^^
暫くブログをお休みしていましたもので、お返事が遅くなり申し訳ないです。
お勤めになられている会社はケチを通り越して違法の可能性が高いです。
会社(使用者)は常時使用する労働者に対して定期健康診断は年1回以上(夜勤従事者は年2回以上)、会社負担で受けさせなければ労働安全衛生規則第44条及び第45条の違反となります。
会社がこの義務を怠っていた場合、労働安全衛生規則第120条1項により、50万円以下の罰金が科されます。
更には、無受診の状態で労災等の事故が発生した場合、使用者は送検される可能性が高いです。
利用者のおやつさえ自腹なんて考えられません。
ブラックを通り越して、いつ沈むかわからない泥船です。
コンプライアンスの遵守がうるさく言われる昨今で、その会社は組織としての体を成しておりません。
悪いことは言いませんので、早急に転職されることをおすすめします。
「辞められない年齢」とおっしゃいますが、現状では資格や経験があれば50代60代でも正社員で雇ってくれる事業所はありますし、年収290万円であれば派遣社員でも到達可能な金額です。
派遣社員は派遣切りなどのリスクはありますが、少なくとも健康診断はちゃんと受けさせてくれますし、利用者のおやつに自腹が発生することはあり得ません。
将来を諦めず、より良い選択をされ今後もご活躍をされますことを心よりお祈り申しあげます。
悩ましいのが年収が上がって月収が下がるパターンですね。処遇改善加算、特定処遇改善加算を毎月の手当として支給している事業所から、一時金として支給している事業所への転職がそれにあたるかと思います。年収で見ると後者の方が数十万円上でも、月収となると逆に前者の方が数万円高いという。
気になっている求人があるのですが、上記のパターンになるため、踏ん切りがつかずにいます。基本給20万円台が当たり前になれば、悩まずに済むんですけどねえ。
>匿名さん
こんばんは~
コメントありがとうございます^^
なるほど、退職や転職を視野に入れている場合は年収よりも単月の収入の方が気になる場合もあるかもしれませんね。
おっしゃっているように、最低基準としての基本給が確保されていればいいのですが、悩ましいところですね。
連投すいません。
私は最近、ひまなんで(コロナで遊びを控えてるw)、ユーチューブよく見るんですが。
「年収ちゃんねる」とか結構おもしろいですよ。介護関係の人も出てました。
でもやっぱり年収を上げるのって難しいですね。みんな金は払いたくないし。
フリーランスみたいに、相手と交渉して自分のフィーが決められたらいいんですけど。
日本だと「給料上げて」とか金の事言ったら汚いみたいな風潮ありますもんね。
あと一人でする仕事じゃないと、自分のがんばりだけを主張するのがちょっと・・「あの人厚かましくない?」みたいになるからね。
個人投資家って日本では職業と認められていませんが、すべてが自己責任なんでいいかな~と思っています。
〇〇〇って、昔は平均年収280万って平気で書いてたんですけど、さすがに低すぎるだろってつっこまれたのかしらないけど、今見ると400万になってますね。w
たぶん、モデルケースみたいな感じで、「看護師でケアマネで管理者で売り上げ利益全国1位のインセンティブがついて、処遇改善がついて、その他いろいろ手当とかマックスでついたら400万です。そんな人いませんけど~」って感じだと思います。ww
で、常勤は毎月ギフトがあるんですよ。1万円くらい買わされるかな~。二月ならバレンタインデーのチョコレートギフトとか。3月ならホワイトデー、4月はお花見ギフトとか。
事業所ごとにノルマがあって、達成率全国何位ってランキングまで発表される。年間何10万も買わされるからその分マイナスになりますよね。
あと最近残業は全く不可になったから、事実上残業手当はナシ。
というわけで、やる気なし仕事できない仕事しないサボりしか残らないです。だって仕事したら損するもの。
今いるデイの常勤なんて、業務外で手首骨折して3か月休んだ後復帰して身体介護免除で毎日ぼけ~っとしてるだけのアラカンとか、日本語が不自由で家族やケアマネからクレームになってる中年男とか。管理者は会社の研修でいつも不在で、現場はほったらかしです。ww
あとは毎日サボってるだけの主婦と、利用者に怒鳴りまくってる68歳のじいさん、利用者にいじめられて泣いて帰ったヘタレ主婦とか。こいつらは常勤じゃないけども。ww
すてきです。年収なんて上げる必要なし。私なら絶対雇わないし給料なんて1円も払わないです。
年収なんて上がるわけがない奴しかいないです。アッハッハ。
たぶん普通のまともなスタッフがいるまともな事業所では、経営者が金をがめて、スタッフの収入が上がらないって構図があると思うので、スタッフは経営者ハガイって思うと思うんですが。
〇〇〇にいたっては、会社自体が金を払う気がない上に、スタッフは給料もらう資格のないカスばかりなので、収入が増えないという現実があると思います。
>デイちゃんさん
こんばんは~
コメントありがとうございます^^
介護現場で物販のノルマって嫌ですね><
私もYouTubeは結構試聴していますが、そのチャンネルは知らないですね~
今度また観てみますね。
個人投資家も法人化すれば職業として認められるんでしょうが、面倒くさいことも増えますかね。。。
大変興味深く拝見しました。
一つ質問したいのですがA様は質を求めるのか、量を求めるのかどちらが正解だとお考えでしょうか?
私個人としては現在の介護職不足、不人気。今後介護の担い手として期待されている外国人やニート、元受刑者、のことを考えるとまさに「誰でもできるようなことを淡々とこなしていく書類やモニタリングはせず介助だけを行っていく」ようにシフトしていく必要性を強く感じている立場です。
もちろん一部の優秀で向上心の高い介護士にはそれなりの給与が必要だとは思いますが
現実にはとにかく数がいないことにはどうにもならないと思います。
>HBKさん
こんばんは~
コメントありがとうございます^^
個人的には「ハッキリしてくれたらどっちでもいい」という感じですね。
中途半端でどっちつかずの状態にしてしまっているから働く側としてもよくわからないまま働き、モヤモヤ感を残してしまうのではないでしょうか。