介護現場で働いているとストレスを感じることが多くあります(もちろん、どの職業でもストレスはあるでしょうが介護現場に特化した内容の記事になります)。
また、ストレスだけでなく「フラストレーション」を感じてしまうこともあります。
ストレスとフラストレーションは似て非なるものですが、密接に関わっているために両者を総じて「ストレス」と呼んでいたりします。
今回は、フラストレーションとストレスの違いと介護現場で感じるフラストレーション3選をご紹介したいと思います。
ストレスとフラストレーションの違い
まずは、ストレスとフラストレーションの違いについて解説していきたいと思います。
共通点
ストレスとフラストレーションの違いの前に、共通点を知っておくことが大切です。
何故なら、「どちらかと言えば両者には共通点の方が多いから」です。
ストレスとフラストレーションの共通点は、
- イライラする
- ムカムカする
- モヤモヤする
- 不快な気持ちになる
- 不安や不満が溜まる
などになります。
上記のような状態になった場合、「フラストレーションが溜まる」という言い方よりも「ストレスが溜まる」という言い方の方が一般的でしょう。
相違点
ストレスを一言で表すと「精神的緊張」で、フラストレーションを一言で表すと「欲求不満」になります。
ストレスは、生体機能のひとつで心労や苦痛やプレッシャーやショックなどの「外的な要因」で発生する肉体的精神的に負担となる刺激のことを指します。
フラストレーションは、自分の欲求が何らかの障害により達成できないなどの「内的な要因」で発生する不満や不安や緊張のことを指します。
非常に良く似ていて区別が難しいのですが、相違点として「原因となる要素が「外的」なのか「内的」なのか」という点が挙げられます。
つまり、
- ストレスは外的な要因で発生
- フラストレーションは内的な要因で発生
ということになります。
ですから、介護現場でイライラや不満を感じてしまう原因が、
- 利用者
- 利用者の家族
- 上司
- 同僚
- 事業所の不可解な因習
などである場合は「外的な要因」ですから、それはストレスであると言えます。
反対に、
- 自分の知識や能力不足
- 自分のタイミングや思考や行動のバランスの悪さ
- 自分の注意力や努力や勇気の欠如
などでイライラが発生してしまう場合は「内的な要因」ですから、それはフラストレーションであると言えます。
介護現場で感じるフラストレーション3選
それでは次に、介護現場で感じるフラストレーション3選をご紹介していきたいと思います。
フラストレーションの特徴として「内的な要因から発生する」ということでしたので、「イライラしてしまう原因が自分にある」ということになります。
①理不尽な上司に上手く言い返せない
上司などから理不尽な指導や注意や命令をされた場合、ストレスが溜まります。
上司という「外的な要因から発生」しているので、これは明らかにストレスです。
しかし、介護現場としての意見や自分を守るための反論をしようとしても、
- 上手く言葉がまとまらない
- 納得して貰えるような反論ができない
- 言いたくても言えない
というような状況に陥ってしまった場合、「フラストレーション」が溜まります。
何故なら、「上司に上手く言い返せなかった自分に原因(内的な要因による欲求不満)を感じてしまうから」です。
つまり、「理不尽な上司がストレスだけどそれに言い返せない自分にフラストレーションが溜まる」という二重苦になってしまうのです。
二重苦を総じて「ストレス」と言ったりもしますが、厳密には「フラストレーションも溜まっている」ということになります。
②対応に苦慮する利用者
介護現場では、対応に苦慮する利用者もいてイライラしてしまうこともあります。
例えば、
- 徘徊
- 帰宅願望
- ナースコール連打
- 暴言や暴力
などがある利用者です。
問題行動のある利用者という「外的な要因から発生」しているので、ストレスを感じることになります。
しかし、「もっと他の良い対応はなかったのだろうか」「自分の技術がもっと高ければ平和に過ごせたのではないだろうか」と内的な要因に目を向けることで「フラストレーション」になります。
但し、利用者を中心として支援を行い、日々自分の対応や技術を高めていこうとすることも大切ですが、「無理なものは無理」なのです。
誰がやっても無理な対応を「あなたのせいにされていませんか?」「負担と責任ばかり押し付けられてはいませんか?」ということには真剣に目を向けていく必要があります。
要は、「感じなくてもいいフラストレーションを溜め込ませるような外的な半強制的な職場環境である場合は、やはりストレスである」と言えます。
③自分のせいでミスをしてしまった
介護職員も人間ですからヒューマンエラーやミスは発生します。
そのミスが自分のせいで発生してしまった場合は、イライラよりも申し訳ない気持ちでいっぱいになり落ち込んだり、後悔したり、自分に腹が立ったりします。
この場合は、自分のミスという「内的な要因で発生」しているため、「フラストレーション」になります。
「平穏無事に業務を終えたかったのに、自分のミスで利用者や周りの職員に迷惑を掛けてしまった」ということになれば居た堪れない気持ちになることでしょう。
そんな状況に陥ってしまった場合の復活方法は下記記事にまとめていますのでチェックしてみて下さい。
最後に
今回は、ストレスとフラストレーションの違いと介護現場で感じるフラストレーション3選をご紹介しました。
それぞれが密接に関わり合っていますので区別しづらい部分もありますが、ストレスは外的な要因から発生するものを指し、フラストレーションは内的な要因から発生するものを指します。
あえて両者を区別して考える必要はないかもしれませんが、フラストレーションは自分の内面に原因があることに鑑みれば、「自分が変われば解決可能」という場合もあります。
自分が変わることで解決が可能であるならば、介護現場でのイライラが「ストレスなのかフラストレーションなのか」、もっと言えば「外的要因なのか内的要因なのか」を考えてみても良いのかもしれませんね。
コメント
「ふ~ん、フラストレーションとかストレスとか~みんな大変ね~」と思っていたら、今日自分も大変な目に。
あら?今日利用者30人?ちょっと多いかも・・めずらしいね・・あら?今日ナースさん新人の使えない人?そっか・・・まあしょうがないか・・あら?今日グルホから送り込まれてきた使徒がいるの?ちょっと大変よね・・・え?スタッフ4人だけ?だって戦力実質2人でしょ?無理でしょ!?
まあナースは入ったばっかだし、しょうがないんですよ、使えなくても。
使徒は予想通り、ATフィールド全開でつったってるだけだわ。
ナースと使徒が二人でフロアでぼけ~っと突っ立ってるわ。
ドライヤーくらいできないのかな?入浴終わらなかったらどうしよう?とか考えないのかな?(答え:できないし考えない)
よく「(そうならないように)指示を出しなさい」だのほざく人いるけど、指示を出すにも時間がかかるわけよ。
で、指示を出したところで、指示通りには動かないし、結局自分がやり直し~とかになるわけ。どうしたらいいわけ?何人分の仕事したらいいわけ?
と、思いながらも、3人分くらいの仕事してやり切りましたよ。どんだけ仕事できるんでしょ。どんだけ重度の移乗したんでしょ。
でもイライラを顔に出さず、もちろん口にも出さず、利用者には笑顔で声かけて冗談言って、事故なくやりとげるって、結構スキルが向上してると思うんですよね。
普通なら、フロアの利用者とか全員ほったらかしで、下手したらお茶も配れてなかったりするけど、入浴しながら配茶して何回かお茶入れなおしたし、レク材は配って一人一人声かけてやってもらったし。
ちょっとすごくないですか。
しかも今日はじめての見学の人まで来てたし。全然状態も分からないのに体験で入浴までしてその後個別レクまでしてもらって話もまあまあできたし。
もう本当にすごくないですか?
これがフラストレーションでなくて何なんでしょう。
でも自分のスキルが上がったら、フラストレーションを感じる閾値が上がるので、「まあこのくらいはできるよな」ってなって、不満がたまらなくなるかもしれませんね。
今は、おかしなシフト作った管理者への怒り、おかしなスタッフへの怒りと、せせこましく働いたもう一人スタッフへの感謝の気持ちと、自分まだまだやれるな~年とったけどスキルは上がってるかも?みたいな自己満足と、いろんな感情がいりまじっています。(笑)
>デイちゃんさん
こんばんは~
コメントありがとうございます^^
本当にお疲れさまでございました。
そうですね、自分のスキルの向上や思考の変化によってフラストレーションのキャパシティや閾値も上がってくるでしょうね。
だからと言って、介護職員にスーパーマンや聖人君子のような対応を求めてしまうから、妙な違和感を感じたり色々おかしくなってきてしまうのではないでしょうか。