右も左もわからないまま介護業界に飛び込んだ新人介護職員は覚えることが沢山ある上に、独特な職場内の風潮や人間関係などにも悩まされることがあります。
そんな時は先輩介護職員や上司などに相談したりアドバイスを貰ったりする方法が一般的です。
しかし、中にはそのアドバイスが本末転倒だったり元も子もないトンチンカンな内容である場合があり、余計に新人介護職員が混乱してしまったり萎縮をしてしまうということがあったりもします。
今回は、私の経験上や見聞きした内容に基づいて「新人介護職員に対する先輩介護職員や上司の元も子もないアドバイス3選」をご紹介したいと思います。
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新人介護職員に対する先輩職員や上司の元も子もないアドバイス3選
親身になって相談に乗ってくれたり的確なアドバイスであれば、それだけで心が救われたり解決の糸口が見えたりもします。
しかし、そうでない場合はアドバイスを受けたことにより余計に心がすさんでしまったり混乱してしまうことにもなりかねません。
以下で、新人介護職員に対する先輩介護職員や上司の元も子もないアドバイスを3つご紹介します。
①我慢するしかない
人間関係の悩みや職場環境の不満などを相談した時に、「我慢するしかない」という返答だと元も子もない上に身も蓋もありません。
これはもうアドバイスではなく抑制や制圧です。
そういう返答しかできない先輩職員や上司にも問題がありますが、実際問題、耐え忍ぶことしかできない閉ざされた風通しの悪い職場である可能性が高いと言えます。
二言目には、
「いやなら辞めるしかない」
「文句があるなら経営者になるしかない」
という極論に行き着くことでしょう。
解決の糸口も希望もなく、諦めの境地となり益々八方塞がりになってしまいます。
②ちゃんと仕事がこなせるようになってから言え
新人介護職員の相談や意見に対して「意見はちゃんと仕事がこなせるようになってから言え」などという返答であれば元も子もない上に身も蓋もありません。
確かに言っていることは半分は正しいのですが、受容の姿勢や言い方に問題があります。
裏を返せば「新人には発言権がない」「仕事をこなせるようになるまでは虐げられて当然」ということになってしまいます。
そもそも、これはアドバイスではありませんし斬り捨てるような正論の暴力とも言えるでしょう。
同じようなパターンで、いじめに悩む新人介護職員に対して「仕事ができるようになればいじめられなくなる」というアドバイスをする先輩や上司もいますが、これも本末転倒です。
何故ならば、「仕事ができない人はいじめられて当然」という「いじめありき」「いじめ擁護」のアドバイスになるからです。
仕事ができないからと言って、いじめを受けたり人権を侵害される謂れはありません。
こういう「人を大切にしよう」という気持ちがない先輩職員や上司の下では、新人も育ちませんし早々に退職していく原因になります。
③私たちの頃はもっと酷かった
新人介護職員が悩みなどを相談した時に、「私達の頃はもっと酷かった」というような返答であれば元も子もありません。
何故なら、そのアドバイスの裏には「今は昔よりもマシなのだから我慢しよう」「自分たちも酷い状況を耐えて成長した」という自分語りと精神論でしかないからです。
新人介護職員は「現状」に悩んでいたり困っているわけですから、過去のもっと酷かった時のことを比較に出されても気休め程度にしかなりません。
つまり、「上見て暮らすな下見て暮らせ、そうすれば少しは気休めになるでしょう」という根本的な解決には至らないアドバイスになります。
酷い人間関係や職場環境を耐えることが伝統のようになっている職場であれば、いつまで経っても人員不足のままでしょう。
最後に
今回は、新人介護職員に対する先輩介護職員や上司の元も子もないアドバイス3選をご紹介しました。
元も子もない時点でアドバイスと呼べる代物ではないことがわかります。
新人だからこそ、まだ仕事ができないからこそ先輩や上司のフォローやバックアップ体制が重要となってくるでしょう。
また、時として新人の意見が介護現場の非常識さを気づかせてくれるキッカケになったりすることもあります。
人を大切にし、お互いが尊重し合える介護現場でありたいものです。