介護業界はブラック?ホワイトな事業所もある?そもそもホワイト企業の特徴とは?

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「介護業界はブラックだ」などと言われることが多い中で、「それは事業所によるのでは?」「介護業界にもホワイトな事業所はある」という意見もあります。

「介護業界」と主語を大きくしてしまうと語弊があったり、そう思わない人からの反発が生じてしまうこともあります。

では、「介護業界にはブラックが多い」と言い換えてみても、「何社から統計を取ったのですか?」「どれくらいの事業所を経験されてきた結果ですか?」「エビデンスやソースは?」という突っ込みに対して「いや~肌感覚です」としか答えようがないため、やはり主語を大きくしない方が無難なのは確かです。

とは言え、業界全体からブラック臭がするのも事実です。

ブラック企業の明確な定義や基準はなく、厚生労働省でも明確な定義はしていないものの、一般的な特徴として下記の企業を指すとされています(参照:厚生労働省ホームページ)。

  1. 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す
  2. 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い
  3. このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、など

介護業界でも当てはまる部分が多いと感じるのですが、確かに介護業界の全ての事業所が当てはまるわけではないでしょう。

では、上記の定義に当てはまらなかったら「ホワイト企業」になるのかと言えば、そうではありません。

今回は、介護業界にホワイト企業の特徴を当てはめた場合、どういう介護事業所であればホワイトと言えるのかを考えていきたいと思います。

介護業界にホワイト企業の特徴を当てはめて考える

ホワイト企業にも明確な定義や基準はありません。

「ホワイト企業トップ〇〇」というようなランキングもあったりしますが、ランクインしている企業の中にも長時間労働やパワハラやセクハラが横行している部署があるなど、ランキングそのものの信憑性が高いとは言い難いものがあります。

介護業界の中でも、「うちは残業代をちゃんと払ってくれているからホワイトだ」「いじめやパワハラがないからホワイトだ」と言う人もいますが、「それは当たり前のことでホワイトではなく普通の企業である」ということには注意が必要です。

では、一般的に言われているホワイト企業の特徴を介護業界に当てはめて考えていきたいと思います。

特徴①:従業員に支払うお金を明確かつ詳細に提示

労働契約は、従業員が労働を提供した対価として賃金を支払う契約ですから、従業員に支払うお金に対しても明確かつ詳細に提示する企業は良心的です。

当然、介護業界も含めどの企業でも基本給や各種手当は1円単位で提示されますが、介護業界で言えば例えば、

  • 給料日以降でなければ給与明細が貰えない
  • 処遇改善手当(特定処遇改善手当含む)がどのタイミングでいくら貰えるのか教えて貰えない
  • 求人票にボーナスの前年度実績が書かれていない

ということも往々にしてあるのではないでしょうか。

お金に関して「後出し(後手)」や「不明確」や「不確定要素が大きい」事業所はホワイト企業とは言えません。

処遇改善加算(手当)については、在職している職員でパイを分け合うようなシステムになっているため事前に伝えづらい部分もあるのかもしれませんが、支給タイミングを伝えることは可能でしょうし、従業員の身になって働きやすい職場環境をつくろうと思っているのなら出来ることは色々あるはずです。

未だに「介護の仕事はお金ではない(お金のことを考えるのは心が汚い)」と言っているような事業所は、明らかにブラックです。

そもそも、介護業界にはまだまだ労働組合が存在している事業所が少ない上に、労働組合を設立しにくい風潮があるのもブラック臭が払拭できないひとつの要因だと言えます。

介護職員の給料は低水準であることは周知の通りですが、給料日に銀行に給料が入金されると嬉しいものです。 いくら雀の涙ほどであって...

特徴②:離職率が低い

離職率の低さはホワイト企業の特徴のひとつになります。

良い会社だから退職する人が少ないのです。

介護事業所個々の離職率は公開されていない場合が多いため確認がしづらいのですが、「一年中求人募集をしていないか」を目安にしてみるのがいいでしょう。

殆ど求人募集をすることがない介護事業所はホワイトの可能性があります(ホワイト企業は求人募集が滅多にないため、目立ちにくいということもあるかと思います)。

離職率が低いということは長く働けるということですので、良い環境と循環ができている職場になります。

多くの介護事業所は人員不足です。 人員不足の介護現場で働く介護職員は、過重労働により劣悪な環境の中に身を置いています。 ...

特徴③:福利厚生が充実している

各種社会保険への加入は当然ですが、それ以外の福利厚生が充実していればホワイト企業だと言えます。

例えば、

  • 住宅手当や家賃補助
  • 社宅
  • 社員食堂や給食
  • 託児所
  • 退職金制度や共済
  • 特別な休暇が取れる(誕生日休暇など)

などになります。

要は、「従業員が働きやすい環境を整えているか」という点でホワイトかそうでないかの判断ができるかと思います。

特徴④:基本給が低すぎずベースアップも大きい

基本給や給料は高いに越したことはありませんが、介護業界では天井が見えてしまっているのも事実です。

そんな状況の中で、例えば「総支給額25万円」の場合、

  1. 基本給12万円+残業手当3万円+夜勤手当4万円+資格手当1万円+職務手当5万円=総支給額25万円
  2. 基本給18万円+残業手当1万円+夜勤手当4万円+資格手当1万円+皆勤手当1万円=総支給額25万円

という2パターンがあった場合、どちらの方が感じが良いでしょうか(他にも処遇改善加算や住宅手当などもあるでしょうが割愛しています)。

感じ方は人それぞれかもしれませんが、私は1にブラック臭を感じ、2の方がマシという印象を受けます(ホワイトとまでは言い難いものの)。

要は、基本給が著しく低く、手当でかさ上げされている場合は手当が無くなってしまった場合に収入が激減するリスクがあることと、ボーナスは基本給に対して〇ヶ月分と設定されている場合が多いため、年収や将来性を考えると2の方がマシなのです。

基本給が一定額あれば、仮に手当が無くなってしまったとしても最低限の金額は保証されます。

また、基本給は年々昇給していきます。

この定期不定期も含めたベースアップの額が大きい方が良いのも当然ですし、数万円単位でベースアップしていく事業所はホワイト企業と言えるでしょう。

特徴⑤:残業時間が少ない

ホワイト企業は残業がほぼゼロでも一定の収入を確保できます。

そもそも「残業をしないと生活維持できない」という場合は収入面で既にブラックです(サービス残業は論外です)。

本来、残業は「自分の仕事がどうしても終わらない」という場合にするのですが、多くの介護現場では、

  • 人員不足のため残業をしないと現場が回らない
  • 現場業務が終わったあとに残業で書類仕事をしなければならない

というように自分の意思やスキルとは関係なく半強制的にせざるを得ないものになってしまっています。

介護現場では「やること」は尽きないのですから、人員が確保されていないといつまで経っても帰れないのです。

ワークライフバランスなんてあったものじゃありません。

こんな環境の中では、上司が急に残業の指示を出し

職員:「急に言われても無理です」

上司:「残業しなければならないことくらい、こっちから言わなくてもシフトを見ればわかるだろう」

職員:(ムカッ)

というように人間関係まで悪くしてしまうやり取りが常態化してしまったりもします。

介護職員は介護を行う仕事ですが、実際に働いてみるとその書類仕事の多さに驚きます。 利用者の日々の生活の記録だけでなく、モニタリ...

特徴⑥:明確な評価基準がある

介護施設であれば、明確な基準がないまま上司の独断と偏見や消去法で介護リーダー(ユニットリーダー)が決められているなど、曖昧などんぶり勘定やえこひいきなどで運営されている介護事業所はブラック体質だと言えます。

介護の仕事は数字で表すことが難しいため「介護の実績とは何なのか」という議論もありますが、事業所内で明確な評価基準を設けておくことはモチベーション維持にも繋がりますし、そもそも公明正大な印象を受けるためホワイト企業と言えます。

具体的に介護現場の評価基準は、

  • スキルや能力
  • 勤続年数
  • 所有資格

などを総合的に見える化をして評価していく必要があります。

例えば、介護現場で「夜勤専従」という働き方もありますが、個々人の働き方としては否定はしないものの、介護の総合力を養いたい場合はおすすめできません。

何故なら、夜勤だけでは

  • 行事やイベントやレク
  • 入浴介助
  • 利用者の日中の様子

などを経験したり実際に体験することが皆無だからです。

夜勤専従として働くにしても、ある程度の介護経験を積んだ上であれば問題はありませんが、夜勤専従しか経験がない人は事業所内における評価基準の埒外にあると言えます(そもそも正職員で夜勤専従は聞いたことがありません)。

自分がどういう項目や基準をクリアすれば評価されるのかが明確になっていることは、ホワイト企業のひとつの特徴と言えます。

今日も明日も介護現場は人員不足なわけですが、人員不足の起因となるのは 新しい人材が入ってこない(入職率) 今いる職員...

特徴⑦:人間関係が良好

ホワイト企業の特徴は、いじめやパワハラがないのは当然のことで職場内の人間関係が良好です。

もちろん、組織ですから上司や部下という立場の違いはありますが、そこに「理不尽」や「無理難題」や「個人攻撃」はなく、お互いが成長できるような環境があります。

介護現場の場合は、直属の上司という縦の関係と他の職種との横の関係プラス他の職種の上司という斜め上の関係が混在しているため人間関係がこじれやすい環境にあるとも言えます。

常に介護職員の退職理由の上位にあるのが「人間関係」なのです。

そう考えると、やはり「介護業界は概ねブラック」と言えなくもありません。

人間関係が劣悪であれば、退職者が続出し離職率が上がり人員不足となり残業が増えるというブラックの悪循環が断ち切れません。

人間関係が良好な介護事業所であればホワイトと言えるでしょう。

どの業界にも、大なり小なり「新人いじめ」「新人いびり」が存在するかとは思いますが、介護業界は特にそういった「新人へのつらい仕打ち」が...

最後に

今回は、介護業界にホワイト企業の特徴を当てはめた場合、どういう介護事業所であればホワイトと言えるのかということについて記事を書きました。

介護や福祉業界は介護保険制度の中で運営されているため、「ブラックから脱したい」「職員が働きやすい職場にしたい」という気持ちがあってもなかなか上手くいかないことがあるのも事実でしょう。

もしそうであれば、「介護保険制度そのものがブラック」と言っても過言ではありません。

そんな中で、ホワイト企業と言われるような運営努力をされている介護事業所は心から素晴らしいと思います。

本当の意味でホワイトな事業所が増えていけば、介護業界のイメージも変わっていくのではないでしょうか。

介護業界では、これまで「職員の資質の向上」だとか「利用者本位」という名のもとに、利用者に対して至れり尽くせりのサービスの提供を推進し...

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コメント

  1. ダメ人間 より:

    お久しぶりです。お元気にしていらっしゃいますか?

    >(そもそも正職員で夜勤専従は聞いたことがありません)
    うちの地域=大都会のとっても小さなベッドタウンにて、日曜の求人広告を見ていたら、openする前から広告が出てたサ高住でしたけど、常勤=正職員で募集ありました。
    なので地域によって、求人事情も色々あるかと思います。
    福祉系・悪い意味で辛口で有名なmas〇さんのblogを見てると、mas〇さん地域にて介護派遣は大都会の状況とだいぶ違うという記事、ありましたし。

    • アバター画像 介護職員A より:

      >ダメ人間さん

      こんばんは~
      コメントありがとうございます^^
      ご無沙汰しております。

      何とか元気にしております。

      なるほど、地域や事業所によっては、夜勤専従でも正職員として雇用しているところもあるのですね。
      確かに、介護派遣に限らず都市部と地方では大分違いますね。
      情報ありがとうございました。

  2. デイちゃん より:

    営利企業って結局ブラックになっていきますね。24時間365日営業のサービス業は100%ブラックですね。
    最近はホワイトな職場ってあまりないのでは。これまでぬるかった一部上場企業も40以上の社員を希望退職(という名のクビ)させはじめましたからね。リクルートの退職希望プログラムを送り付けて、「退職を希望しない」と返したら、「退職したい」と言うまで何回もプログラムをさせるらしいですよ。

    介護の会社なんて100%ブラックでしょう。
    〇〇〇なんてブラック企業の代表ですね。
    給料なんて給与計算システム自体があやしくて、普通に入れても金額間違って出て来るし。サビ残強要だけでなく給料を低く計算して出すなんて・・そんなあくどい方法あるんだね~って感心しますね。
    離職率はもうすごいと思います。ただ今は悪評が定着したので、求人に応募してくるカモ自体がいなくなってるので、辞める人も少ないと思います。
    でも最近キチ〇イみたいに訪問の分割をはじめたので、S責やヘルパーがどんどんやめてますね。www
    福利厚生って言葉、見たことも聞いたこともないのですが。それっておいしいもの?
    基本給・・・〇〇〇って基本給が6万5000円なんですよ。なのでボーナス〇か月分というのは、65000円×〇か月です。しかも初回ボーナスは5000円です。5000円を見てやめる人多いかも。ww
    残業は今は認められなくなったので(笑)、残業時間0です。が当然常勤さんはサビ残してますね。パートはさすがに残業つきますけど。
    評価は、もう変な社員ばかりなので、評価基準もへったくれもないと思います。日本語が不自由なのに、評価って言われても・・。ww
    人間関係は、わりとスタッフ同士とかはいいかも。というか他の人に関わらないって感じ。常勤さんは管理職やその上の人からパワハラはありますね。でも最近人がやめまくってて、パワハラしようにもする相手がいないって感じですね。ww

    介護の会社って女性が多いのでどうしても大奥みたいになるでしょう。陰湿な集団的ないじめがあったり、強烈なパワハラがあったり。
    ただあくどい会社ってさすがに人がいなくなっちゃうんですよね。
    そうなると意外と風通しがいいかも。
    いい会社って意外と、人間関係が密になったりして、「あの人が実はハガイ」とかなりがちですしね。あと会社への不満って、なくなることはなくて、大きな不満がなくなると、次の小さな不満が生まれてくるから、どんどんぜいたくになっちゃう。

    ま、あまり会社には期待せず、でも自分自身の価値はしっかり高めて、十分な評価と十分な給料をもらえる職場で働くようにしたいですね。

    • アバター画像 介護職員A より:

      >デイちゃんさん

      こんばんは~
      コメントありがとうございます^^

      なかなかひどい現実ですね><
      ホワイトとはいかないまでも、普通の会社であって欲しいものです。

      • デイちゃん より:

        でも今は利用者がどんどん減って、とても楽になりました。
        デイに重度ばかり入れても、結局は家で見れなくて入所したり、入院したり、死亡したりで、どんどん減る。
        入浴なんて12時15分までのはずが、10時半に終わっちゃって、「することないけどどうしよう」って。利用者と1時間くらいダラダラしゃべって、そのうち11時半になったので体操して。
        食事も重度がいないから食事介助がないんですよ。もうすることない。いる必要がない。
        普通のデイってこんなんなんだよね。それを昔のパワハラ管理者が重度ばかり入れるからおかしくなったんだよね~。
        前に、サボってる奴は実働1時間って言ったけど、その日の私も実働は・・3時間くらいかな。
        食事の後も利用者とバカ話ばかりして、みんなで笑って終わり。「〇〇さん、昔、宝塚でラインダンスしてたんでしょ?今でもできる?」「できるわけないやん、きゃははは~」「すみれのは~な~さくころ~・・ってそこしか知らんわ」「あはははは」とか。
        何これ?仕事?こんなに楽な介護の仕事ある?
        これで特定処遇改善ついて準看と同じ位時給がもらえるんだから・・・かなりオイシイかも。だったら新しいスタッフも来るよね。

        そうそう、やっとトイレとか直すらしいです。トイレは中国が稼働してなくて今ないからちょっと遅くなるみたいだけど、浴室とかその他の設備も直すらしい。
        でその費用がかかってくるので、来年度は減損確定・・・ってことで管理者はやる気なく、きっと利用者も増えないでしょう。いくら利用者増やしても赤字確定してるから、減価償却が軽くなってから利用者増やした方がいいかもね。

        明日もまた一日利用者とバカ話してこよ~と思ったのでした。ww

        • アバター画像 介護職員A より:

          >デイちゃんさん

          返信ありがとうございます^^

          確かにひと昔前と比べると介護現場は「ある意味マシ」にはなってきているのかもしれませんね。
          サービス残業もえげつないパワハラもほぼ無くなりましたし(普通の残業や行き過ぎないパワハラはありますが)。
          やっと普通に近づきつつあるという感じです。

          職員にとってもありがたいですが、利用者にとっても良い循環なように思います。
          健康と安全第一でやっていきましょう。