介護事件

京都府京丹後市の特養で男性介護福祉士が利用者を殴り骨折させ逮捕された事件考察

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今日(2020年2月14日)にまた新たな介護事件の報道がありました。

概要としては、京都府京丹後市の特別養護老人ホーム(以下、特養)で23歳の男性介護職員(介護福祉士)が、98歳の女性利用者の顔を殴り骨折させ逮捕されたという内容です。

動機としては、「介助中に利用者につねられて腹が立った」ということのようで、容疑を認めています。

報道の詳細は、京都新聞の下記ニュースをご参照下さい。

98歳に「つねられ腹立ち」23歳職員が殴り骨折る 容疑の老人ホーム職員を逮捕(京都新聞)

こういった介護現場での事件が続いているのですが、「氷山の一角」に過ぎないのですから根本的な対策を行っていかなければ今後も同じような事件が続発することでしょう。

介護現場で虐待や介護事件が続発する本当の理由

平たく言えば、「根本的な対策が不十分なまま、事あるごとにトカゲのシッポを切ってやり過ごしていることに問題がある」ということになるのですが、今後もその方針はさして変わらないことは予想がつきます。

今回の介護事件も同様にやり過ごされていき、また次の事件が発生するのを座して待つばかりという状況には変わりありません。

以下で詳しく考察していきたいと思います。

 

 

 

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京都府京丹後市の特養での事件考察

 

 

誰であってもどんな状況であっても、虐待や手を出してしまうことがあってはならないというのは大前提です。

ですから、「そんな大前提さえも理解できないという介護職員はまず居ない」のです。

つまり、本当の問題は「大前提がわかっていても虐待や介護事件が発生してしまう」というところにあるのではないでしょうか。

 

つねられたら誰だって腹が立つ

今回の介護事件の動機は、「98歳の女性入所者が介護職員をつねってきたため、それに腹を立てた」ということから発生しています。

そりゃ誰だって、親切且つ丁寧に介護をしている相手から理不尽につねられれば腹が立つでしょう。

しかし、現状の介護現場では介護職員が「耐える」「我慢する」という対策しか取れない環境が往々にしてあります。

「ちょっとつねられたくらいで」と思われるかもしれませんが、リミッターが外れた認知症者は高齢者とは思えない凄い力があるのです。

手加減なしで躊躇なく攻撃してくる高齢者の怖さは介護現場経験者でなければわからないかもしれません。

皮膚がえぐれ出血するくらいの力でつねられることもありますし、その身体的精神的なダメージを「耐える」「怒りをコントロールする(アンガーマネジメント)」という対策でしかカバーできないのだとすれば「ちょっとおかしな世界」であることが理解できるかと思います。

最終的には、「利用者からの攻撃をかわしながら(若しくは、安心できる言葉掛けや雰囲気づくりをしてから)介助できなかった介護職員の介護技術の未熟さ」という結論で更に蹴り飛ばされれば「踏んだり蹴ったりの異様な世界」であることが理解できるかと思います。

もしも、全国の介護現場で同じような「我慢大会のような異様な世界」が存在するのだとすれば、今後も介護事件が続発することは少し考えればわかる自然の摂理ではないでしょうか。

介護職には必須?介護現場でのアンガーマネジメントの効果と問題点

 

事件の多くはマンツーマン介護で発生する

今回の介護事件の発生場所はお風呂でした。

入浴介助中での出来事でありマンツーマン介護の中で発生しています。

マンツーマン介護を言い換えれば「個別ケア」です。

個別ケアとは、つまり「ユニットケア」です。

ユニットケアではマンツーマン介護や密室での対応の頻度が高くなります。

密室でのマンツーマン介護では、介護職員が利用者に危害を加えられても助けを呼ぶことができませんし、介護職員が利用者に危害を加えても証拠が残りにくくなります。

監視カメラも、「居室内」「お風呂内」「トイレ内」には通常設置されません。

つまり、国や業界が推進しているユニットケアが虐待や介護事件の温床となり助長させ、介護職員にとっても利用者にとっても不幸な結果を招いた根源であると言っても過言ではありません。

その最たるものが「ワンオペ(一人体制)夜勤」でしょう。

一応フォローしておきますが、ユニットケアの理論自体は悪くはないとは思います。

ただ、「抜群に人員配置基準がおかしい」ため、ユニットケアの全てが狂ってしまっているのです。

特養の「利用者:介護職員等」の人員配置基準は「3人:1人」となっていますが、これ自体も出勤者の人数ではなく「ユニットに所属している職員(公休の職員も人数に含まれる)」で換算されているため、介護現場で様々なバグが発生してもおかしくはない基準になっています。

ワンオペ夜勤を止め、人員配置基準を見直さない限りは同じような介護事件が続発することでしょう。

ユニットケアは「既に破綻している空想理論」である理由をわかりやすく解説

 

普通の対処法が通用しない環境が存在する

今回の事件での状況の場合、普通に考えれば以下のような対処法があります。

  • 口頭でつねるのをやめるように言う
  • ナースコールなどで他職員に助けを呼ぶ
  • 一旦、その場を離れる

では、何故それらをしなかったのでしょうか。

この事件に関しての具体的な状況や容疑者となった介護職員の行動はわかりませんが、「介護現場ではそれらの対処法が通用しない環境も存在する」という点には留意しておく必要があります。

口頭で注意しようが半永久的に続くことはあり得ます。

助けを呼んでも人員不足で誰も来てくれなかったり、来てくれたとしても結局は最後まで入浴介助を終わらせなければならない状況には変わりがなかったり、二人対応や介助を交代することが環境的に困難であることはあり得ます。

入浴介助中にその場を離れるという行為は、利用者が転倒や転落や浴槽で溺れるなどのリスクがあり非常に危険であることは介護職員であれば熟知していることでしょう。

そもそも、一旦その場を離れれば状況が良くなるという確約もありませんし、リスクを増やすもとになるだけです。

今回の23歳の介護職員も、勤続3年の介護福祉士国家資格者とのことですので、職場の環境的なことも含め十分理解していた上で発生してしまった事件だと推測ができます。

その場合、「耐え続ける」しか対処法がなかったのではないでしょうか。

そんな環境では、いつか誰かが「耐えれなくなる」ということはあってもおかしくはありません。

今回の状況で最善の対処法は「最初から二人以上の職員で対応し介助を行う」ということができていれば防ぐことができた事件だと考察します。

そのためにも、人員の確保は急務ですし職場環境を法人や事業所全体で考えていくことが必要です。

そして、もっと急務なのは国や業界全体で「ユニットケアの人員配置基準」を見直していくことだと考えます。

もっと言えば、人員配置基準が見直せないのならユニットケア自体をやめる勇気も必要ではないでしょうか。

介護職員の代わりとなれるような介護ロボットの導入を待っている猶予はないのです。

介護ロボットの開発、機能、導入はまだまだ介護現場の実情に沿っていない理由

 

 

 

最後に

 

今回は、京都府京丹後市の特養で発生した介護事件について考察しました。

暴力などのハラスメントがある利用者に対しては、複数人の職員で対応することが現状では最善の対処法です。

しかし、人員不足の問題や「1人で対応してこそ一人前」というような風潮があり「我慢大会のような介護現場」であれば、必ず何かのバグが発生します。

介護職員に我慢ばかりを強いている介護事業所は、同じような事件が発生する前に職場環境を見直してみてはいかがでしょうか。

介護現場のモンスタークレーマー家族とハラスメント利用者から自分を守る方法

 

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