介護業界の異常性

介護現場では如何なる理由があっても身体拘束をしたら負けなのか

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介護現場では「身体拘束は良くないもの」とされています。

もちろん、介護現場だけでなく日常生活においても誰であっても「不当な身体拘束」はされるべきものではありません。

しかし、認知症者などが多く存在する介護現場は特殊であるため、厚生労働省のガイドラインでは「緊急やむを得ない場合を除いて、身体拘束や行動を制限する行為は原則禁止」とされています。

つまり、反対解釈をすると「緊急やむを得ない場合は身体拘束ができる」という解釈ができます。

しかし、中には事業所や上司が「いかなる場合でも身体拘束はしない」「身体拘束をしたら負け」などという勝手なポリシーを持っている場合があります。

そもそも「業務に勝ち負けを持ち込んだら負け」なのですが、こういった「危うい考え方」をしている人がまだまだ存在するのも事実です。

今回は、「介護現場では如何なる理由があっても身体拘束をしたら負けなのか」ということについて記事を書きたいと思います。

【介護の特殊性】介護の仕事より過酷で低賃金な仕事は山ほどある?

 

 

 

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身体拘束をしたら負けなのか

 

 

冒頭でも述べましたが、そもそも「介護現場に勝ち負けを持ち込む人は危険」です。

利用者は物でもなければ実験台でもないのですから、サービスの内容で勝ち負けを考えていたら「利用者をスケープゴートにした自己満足の世界」になってしまいます。

勝ち負けはさておき「介護現場では如何なる理由があっても身体拘束をしてはいけない」のでしょうか。

 

三原則を満たせば身体拘束可能

冒頭にも書いたように、「緊急やむを得ない場合は身体拘束ができる」のです。

但し、以下の三原則を全て満たしている必要があります。

1.切迫性 :本人または他の利用者の生命または身体が危険にさらされる可能性が高いとき
2.非代替性:身体拘束以外に代替する介護方法がないこと
3.一時性 :身体拘束は一時的なものであること

  • 「緊急時やむを得ない場合」の判断は、担当の職員個人またはチームで行うのではなく、施設全体で判断することが必要である。
  • 身体拘束の内容、目的、時間、期間など高齢者本人や家族に対し十分に説明し、理解を求めることが必要である
  • 介護保険サービス提供者には、身体拘束に関する記録の作成が義務付けられている

【引用元】厚生労働省「身体拘束に対する考え方」より

つまり、国が「本人や他者の生命や身体が危険にさらされる可能性が高く」「他に代替手段がなく」「一時的なもの」であれば身体拘束もやむなしと言っているのです。

それを、いち事業所やいち個人の勝手な判断やポリシーで「身体拘束は如何なる場合も如何なる理由があろうともしてはいけない」と言ってしまうのは、あまりにも不合理で退廃した考え方だと言えます。

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自分を過信しすぎている

介護士及び介護福祉士であれば「身体拘束をしなくても如何なる場合でも対応可能」という考え方も非常に危険です。

認知症介護のプロであっても人間です。

プロ野球選手が毎回ヒットを打てるわけではありません。

プロ格闘家が毎回試合に勝てるわけでもありません。

警察官の犯罪検挙率も100%でもありません。

医者にかかれば全ての病気が完治するわけではありません。

外科医の手術の成功率も100%ではありません。

その道のプロであっても完全完璧はあり得ない話なのです。

介護福祉士だからと言って、全ての認知症者の行動を完璧に予見したり対応することは不可能と言えます。

そもそも24時間付きっきりの介護は出来ないのです。

「認知症介護のプロだから如何なる理由があっても身体拘束をせずに対応可能」だと考えている人がいたとしたら、「自分を過信しすぎた慢心」でしょう。

もちろん、「良い対応ができるように」「リスクを出来るだけ減らせるように」知恵を絞って努力していくことは大切ですが、「如何なる理由があっても身体拘束はしないという傲慢さ」が前提とされている以上、砂上の楼閣となることは目に見えています。

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周りが被害や迷惑を被る

認知症者の自傷他害行為などがあり三原則を満たしていれば身体拘束が可能ですが、それを一切しない方針にしてしまうことで「自傷行為で本人の生命が危険にさらされる可能性」もありますし、「他害行為で周りの利用者やスタッフが被害を受けたり迷惑を被る」ことになります。

自分を過信している人であれば「24時間付きっきりの対応で認知症者の行動を完璧に予見して誰にも被害や迷惑を与えない」と言うのでしょうか。

もう人智を超えています。

そんな考え方の事業所や上司の下で働いている職員も生活している利用者も不幸です。

身体拘束は自傷他害行為をする利用者を排除しようとしているのではなく、「本人と周りを守るために被害や迷惑を排除するやむを得ない方法」なのです。

ですから、本当に排除する必要があるのは「如何なる理由があっても身体拘束をしたら負けという考え方」ではないでしょうか。

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「身体拘束=悪」という思い込みと逆差別

「全ての身体拘束は虐待であり悪である」という思い込みがあると「如何なる理由があろうとも身体拘束をしたら負け」などと言ってしまうのではないでしょうか。

厚労省のガイドラインにもあるように、「本人や他者の生命や身体を守るために身体拘束もやむを得ない場合がある」のです。

「認知症は病気(の症状)なのだから」という言い分もあるかもしれませんが、それは「闇雲に身体拘束をしてはならないのであって、如何なる理由があっても身体拘束をしたら負けというのは間違っている」と断言できます。

医療機関でも、病気の治療に必要であり患者の生命や身体に危険が生じる可能性が高い場合は、身体拘束を行っています。

「認知症だから何でも許される」「認知症だから特別」という考え方は「逆差別」であり、もっと言えば「同じ人間扱いをしていないのではないか」とさえ思ってしまいます。

身体拘束をどんどん過剰に拡大解釈して「少々お待ち下さい」と言うことさえ「スピーチロックという身体拘束だ」と言われ始めています。

そんな言葉掛けひとつ取っても槍玉に上げられる介護現場はやはり異常ですし特殊です。

利用者から暴言や暴力を受け、過剰な言葉狩りをされ、言葉掛けを槍玉に上げられ、事業所も上司も誰も守ってくれないどころか「如何なる理由があっても身体拘束をしたら負け」などと言われている介護職員こそが虐待を受けているのです。

 

 

 

最後に

 

今回は、「介護現場において如何なる理由があっても身体拘束をしたら負けなのか」ということについて記事を書きました。

自傷他害行為のある利用者にやむを得ず身体拘束を行っていくのは負けでもなんでもありません。

精神科を受診して入院加療や内服薬の調整等の対応も選択肢のひとつとして必要となってくるでしょう。

しかし、そういった「薬の処方や調整までも拘束」と言われるのが介護業界です。

どんなことであっても「闇雲」はいけませんが、「適切」な判断と対応をしていきたいところです。

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