リアル介護現場の実情

「現状維持」を目指すしかない介護現場の実情

投稿日:2019年6月24日 更新日:

 

介護職員の業務は、利用者への直接的なケア以外にも書類などの事務仕事や評価分析を行う業務があり、多種多様であることは今までのブログ記事でも発信してきました。

介護職員が書類仕事をサービス残業で行わざるを得ない実情とは?

利用者への直接的なケアだけをとっても

  • 声掛け
  • 見守り
  • 傾聴
  • 付き添い
  • 食事
  • 口腔ケア
  • 排泄
  • 入浴
  • レクリエーション
  • 生活リハビリ
  • 移動や移乗
  • 環境整備(居室やトイレ清掃、洗濯等)
  • 送迎

などなど多岐に渡ります。

全てをそつなくこなし「オールマイティ」であることが求められます。

そして、ひとつひとつのケアの質を向上させていき「最低の待遇で最高のサービスの提供を求められている」のが介護職員になります。

【介護保険制度破綻②】最低の待遇で最高のサービスを求められる「異常な介護現場」

しかし実際問題、介護サービスの質を上げたくても上げられない現実があります。

今回は、「現状維持を目指すしかない介護現場の実情」について記事を書きたいと思います。

 

 

 

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現状維持を目指すしかない介護現場の実情

 

 

何故、介護サービスの質が向上せず現状維持を目指すしかないのでしょうか。

 

実情①「人員不足」

人員不足のため、1人の利用者に多くの時間を掛けたケアは出来ません。

そもそも、人員配置基準を満たしていても24時間付きっきりの介護はできないのです。

もちろん、職員の経験と能力によりにケアの質に差がありますが、1人の利用者の対応をしている間に他の利用者のケアや対応が出来なかったり遅れたりします。

例えば野球で考えてみると、ピッチャーがバッターに打たれた打球を外野まで取りに行って毎回アウトにするよう求められているようなものです。

人智を超えた対応は出来ないため、現状維持で精一杯なのです。

 

 

実情②「オールマイティが少ない」

全ての介護職員がどの業務もそつなくこなす「オールマイティ」ならば素晴らしいのですが、人間ですから

  • 得手不得手
  • 得意不得意
  • 長所短所
  • 上手下手
  • 向き不向き

があります。

「レクが苦手」

「入浴介助が体力的にしんどい」

「移乗介助は腰が痛くて出来ない」

「傾聴が苦手」

「書類が苦手」

「パソコン使えない」

色々な介護職員が存在すると思います。

仕事である以上、苦手なことを克服して質の向上を図ることが大切なのですが、オールマイティに出来る職員が少ない場合は、周りがそれを補う必要があるために現状維持を目指すしかないのです。

 

 

実情③「介護現場も老老介護」

在宅介護の老老介護が社会問題になっていますが、介護現場でも老老介護が進んでいます。

年配の職員にありがちな

「パソコンが使えない」

「書類は出来ない」

「今更覚えられない」

「腰が痛くて移乗介助はできない」

「持病があるので夜勤は無理」

という「そもそも」が存在します。

こればっかりは誰が何と言おうと無理ですし無駄です。

暗黙の了解で会社が認めてしまっている場合が多いからです。

そういう人材でも「辞めずにいてくれるだけで嬉しい」という人材不足の悪循環があります。

もちろん、ご高齢でも努力をしてパソコン入力や書類をやってくれる職員もいますが、間違いだらけだったり漏れが多かったりするために、結局手直しが必要となってしまうことがあるために考えものです。

そういった状況では、現状維持を目指すしかありません。

【2025年問題】老老介護は介護現場にも及んでいる

 

 

実情④「理想ばかりの職員」

高尚な理想論ばかり言うので、一見ケアの質を上げようと努力している良い職員に見えますが、実際は

「自分のやりたいことだけしかやらない」

「面倒くさいことや苦手なことは他人に押し付ける」

「批判されると利用者への愛を語り自分が間違っていないことを主張する」

という介護業界に多い、「利用者をスケープゴートにした自己陶酔型」の職員です。

利用者のニーズの達成のために支援をする仕事なのですから、当然理想は高くありたいのですが、まずは目の前の業務をこなしていかないと始まりません。

「介護の仕事は低賃金で重労働で将来性がないけどやりがいがある」

というような現実を無視したことを言うのが特徴です。

その結果

  • やりがい搾取になる
  • 負担が大きくなる
  • 自己犠牲を強いられる
  • 耐えきれなくなって退職する職員が増え人材ロスをする

というこれまた悪循環が止まりません。

理想論ばかりの介護現場では離職率が高くなり人材不足が解消しないため、現状維持を目指すしかないのです。

介護現場を知らない人には「キラキラ系介護士が良い職員」に見えてしまう謎

 

 

実情⑤「現状維持で御の字」

今の介護現場では、人員不足や労働環境など様々な理由で何とか現状維持が出来ています。

これは、介護職員が自己犠牲に自己犠牲を重ね踏ん張ってきた結果です。

ですから「現状維持が出来ているだけで御の字」なのです。

本当に資質の低い介護職員ばかりであれば、今頃多くの事業所は破綻してしまっているでしょう。

そんな状況であるのに、質の向上の名の下に「オムツゼロ運動」のような、更によくわからない方針や負担を押し付けてくるために職員も利用者も困惑してしまいます。

質の向上を目指しているから現状維持が出来ているのです。

今ある現状維持を当たり前だと思ってはいけないのです。

闇雲な「おむつゼロ運動」「おむつ外し」はエゴイストの方針

 

 

 

最後に

 

今回は、現状維持を目指すしかない介護現場の実情について記事を書きました。

職員個々の資質の向上はもちろん重要ですが、資質が無い人も多いために介護現場での事故や事件が発生してしまっているのが現状です。

オールマイティに働ける職員が多ければ多いほど良いですが、そういう恵まれた環境はなかなか難しいでしょうから、職員同士でフォローし補い合いながら何とか現状維持が出来ています。

現状維持を目指すしかない介護現場の実情の中で、上司や経営者は「まずは今ある現状維持に感謝をする」という姿勢が大切です。

 

 

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