今まで介護職員という職種で介護という仕事をしてきて、色々思うことがありこのブログを書いているわけですが、現状では
|
ということが求められている職種だと感じています。
もし本当にそうならば「やりがい搾取をする不健全な状態」になってしまいます。
しかし実際問題、依然としてそういう業界であることも否めません。
ある時、「徳川家康の格言(名言)」を読んでいると「この人の言っていることは介護職員に当てはまるのではないか」「徳川家康は介護職員の素質を備えていたのではないか」と思うことがあり、今回はそのことについて勝手に考察してみることにしました。
徳川家康の格言・名言と介護職との共通点を考察
天下人の徳川家康はどういう格言や名言を残しているのでしょうか。
そしてそれがどう介護職員と関係してくるのでしょうか。
実際に考察していきたいと思います。
徳川家康の格言(名言)と介護職との共通点
人の一生は、 重荷を負うて遠き道をゆくがごとし。 急ぐべからず。
徳川家康
【考察】
介護職員も低賃金、過重労働、劣悪な人間関係という重荷を背負い、尽きることのない利用者の介護を行っています(実際に重い利用者を抱えたりもします)。
何かに追われて急いでしまうとアクシデントが発生してしまう可能性が大きくなりますし、長い目で見れば腰痛などの職業病に悩まされたり心身を壊してしまうでしょう。
堪忍は無事長久の基、 怒りは敵と思え。
徳川家康
【考察】
介護職員たるもの、どんな状況であっても利用者に感情的になったり、怒りを露わにしてはなりません。
しかし、劣悪な労働環境に対して上司や事業所に何も言えず泣き寝入りしているようでは「社畜」「奴隷」「飼い慣らされた犬」でしかありません。
堪忍する気持ちも大切ですし、怒りを露わにする必要はありませんが、間違っていることは間違っていると言える人間でありたいですね。
戦いでは強い者が勝つ。 辛抱の強い者が。
徳川家康
【考察】
腕力や戦力が強い者ではなく「辛抱強い者」が勝つなんて、介護現場そのものを如実に言い表しているかのようです。
辛抱強くないとやっていけません。
但し、介護現場で自己犠牲を払い、耐え忍び続けることが「本当に勝っているのか」というところは疑問が残ります。
人は負けることを知りて、 人より勝れり。
徳川家康
【考察】
介護職員はマウントを取られやすい職種です。
社会的地位も収入も低空飛行です。
まずは「そういう現実を知る」ことで、「改善する方法を発見できる」と言えます。
現実を見ずにキラキラしているだけでは問題点が見えてこないのです。
人生に大切なことは、 五文字で言えば 「上を見るな」。 七文字で言えば 「身のほどを知れ」。
徳川家康
【考察】
「上を見るな」とは、介護職員の置かれている環境を端的に言い表している言葉でしょうか。
上司が言いそうなセリフです。
しかし、「自分が何者であるのか」「どれだけのものなのか」という身の程を知っておくことは大切です。
「自己覚知」というものですね。
己を責めて、 人を責むるな。
徳川家康
【考察】
「何でもかんでも人のせいにするな」「全ては自己責任」ということです。
責任をなすりつけ合うことが常態化している介護現場には、一番必要なことかもしれませんね。
不自由を、常と思えば、 不足なし。 心に望み起こらば、 困窮したるときを思い出すべし。
徳川家康
【考察】
介護職員を長くやっていると感覚が麻痺してきてしまって、不自由で劣悪な状況が当たり前のように感じてきてしまいます。
「処遇改善加算で給料が上がる」と喜んだのも束の間、「事業所の柔軟な運用」が認められているために微々たる金額しか手当がついていなくてガッカリすることもあります。
2019年10月から「業界10年の介護福祉士に月8万円の新加算」が運用開始になりますが、あまり期待をしないでおく方が無難です。
期待してしまうと落胆する落差が大きくなるからです。
「介護職員はこういうものだ」と思っておけば、とりあえずは続けられます(それでいいとは思いませんが)。
鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス
徳川家康
【考察】
家康の代表的な格言ですね。
介護現場では本来「待つ介護」が必要です。
完全に寝たきりの全介助の利用者は別として、自分で出来る所までは利用者自身でやってもらい、その後に出来ない所を支援していくことが大切です。
しかし、実際の介護現場では、人員不足の問題や時間に追いかけられて「待つことのできない介護」が行われがちです。
世におそろしいのは、勇者ではなく、臆病者だ
徳川家康
【考察】
何でも恐れずドンドン物事を進める人は推進力があって素晴らしいとは思いますが、介護現場においては危険な存在です。
何故なら、介護現場ではスタッフ全員が足並みを揃えて「統一した介護」をすることが求められているからです。
キラキラした自分の理想を押し付ける介護士よりも、慎重に物事を進めようとする職員の方が重宝されます。
「キラキラした職員よりも臆病者の方が凄い」という意味になろうかと思います。
格言(名言)考察の総括
徳川家康の格言の多くは「不平不満を言うな」「不自由を嘆くな」「辛抱することに意味がある」「怒らず辛抱しなさい」「期待をするな」 ということばかりです。
つまり、そっくりそのまま現在の介護職員に当てはまるような内容になっています。
天下人の格言通りにすれば、介護職員もいつかは陽の目を見ることができ、もっと言えば天下を制することができるのでしょうか。
元も子もない結論になってしまいますが、徳川家康が生きた戦国時代と現代は全く時代が違います。
現代の日本は法律で統治された「法治国家」になります。
ましてや、下剋上などなかなか困難な時代です。
今日明日にでも無能な上司の首を狩って、明日から自分が上司や経営者に君臨することはまずあり得ません。
家康の格言は、介護現場においては参考程度に留めておくのが無難でしょう。
徳川家康は本当に介護職員の素質がある?
では次に、「徳川家康が現代に生きていれば、介護職員の資質や素質をバッチリ備えているので天職になるのではないか」ということを考察していきたいと思います。
温厚で気の長い性格のように思われている家康は、「実は戦場では短気だった」と言われています。
徳川家康の短気を表すエピソードとして、武田信玄との三方が原の戦いがあります。この戦いは誰がみても徳川家康に不利で、戦いを避けることもできたのですが、武田軍に挑発された徳川家康は短気に行動を起こし、確固とした戦術もないまま戦いを挑み大敗してしまいました。
また、関ヶ原の戦いにおいては、事前に裏切りを約束していた小早川秀秋がなかなか動かないのを見て、小早川軍に鉄砲を撃ちかけて挑発した事はよく知られています。
【引用元】Mayonez[マヨネーズ]
介護職員の戦場は介護現場になります。
その現場で短気を起こしてしまうようでは介護職員として勤まりません。
残念ながら「徳川家康は介護職員の素質も資質も無い」と言わざるを得ません。
最後に
今回は、徳川家康の格言・名言から介護現場の実情を考察し、「家康自身も介護職員の素質があったのではないか」ということについて記事を書きました。
歴史上の人物ですので、実際の所はどうなのかまではわかりませんが、格言の内容とは真逆の性格であるとも言われているので、格言は「自分や部下(家臣)を戒めるための発言」だったのかもしれませんね。
そして、家康が介護職員としての素質がないという結果から、「介護職員が天下人となるのも難しいのではないか」という結論になります。