「実るほど頭を垂れる稲穂かな」ということわざがあります。
実って立派に育った稲穂の頭や首は、その実の重さによって垂れ下がったようになることから、それを人間にも当てはめて「人が立派に成長したり成功して偉くなっていくと、謙虚になっていく」という意味になります。
逆に言えば、それなりの立場や地位にいたり成功者と自称又は他称されている人でも、「尊大で偉そうにふんぞり返っていて中身が無い場合は謙虚さの欠片も無く薄っぺらい人」と言い換えることができます。
このことわざは意外と大切だと思っていて、職場であれば職場環境や人間関係に直結してきます。
介護業界や介護現場でも職場環境や人間関係の劣悪さが指摘されたり、介護職員の退職理由の上位に位置していますが、そこには「実っても頭を垂れない稲穂たち」が存在していることがあります。
以下で詳しく解説していきたいと思います。
介護業界に存在する「実っても頭を垂れない稲穂たち」
介護業界に存在する「実っても頭を垂れない稲穂たち」とはどういう人達なのでしょうか。
要は、「それなりの立場にいるのに謙虚さの欠片も無い人達のこと」を指します。
法人を私物化しているワンマン経営者
介護業界でも法人を私物化しているワンマン経営者が存在しています。
「法人の私物化」という時点で謙虚さの欠片もなく、職場環境や人間関係の劣悪さが窺えます。
例えば、
- 会社の資金を私的に流用
- 同族会社で自動的に経営者になったため介護現場を知らない
- 介護現場を知らないのに口だけは出す
- 専門職の意見より自分の意見を優先
- 反対意見や自分の意にそぐわない意見は恫喝したり排除する
などの法人を私物化したワンマン経営であれば会社は腐っていきます。
職員の退職も後を絶たないことでしょう。
こういう経営者はいつも偉そうで頭を垂れることもありません。
その理由は、
- 実っていないのに経営者になってしまった
- 中身がないスッカラカンの経営方針
- 自分の思い通りにしたいだけの利かん坊
などのネガティブなものになるのは火を見るよりも明らかです。
偉そうにするだけの上司
介護現場での上司と言えば、
- 介護リーダー(ユニットリーダー)
- フロアリーダー
- 介護主任
- 介護係長
- 介護課長
- 介護部長
などになります。
事業所によっては違う役職ポストがあったり、また特定の役職そのものが無かったり、1人の職員が複数の役職を兼務をしている場合もあるかと思います。
但し、介護リーダーというポストは役職とは言い難い「役割」だとか「担当」という不安定なものである点には注意が必要です。
何故なら、上司の気分やその時の職員の顔ぶれなどから鶴の一声でリーダーに昇格させられたり、降格させられたりするポストだからです。
詳しくは下記記事にまとめていますのでご参照下さい。
話を戻しますが、これらの上司が謙虚さの欠片もなくただただ偉そうな態度の人であれば、職場環境も人間関係も悪くなっていきます。
自分の役職や肩書きだけでモノを言ってしまうため、そこに部下や後輩職員などとの信頼関係が構築できないのです。
信頼関係もないのに、
- 無理なシフトを組まれる
- 必要な情報を言わずに後から「言わなくてもわかるだろ」と言う
- 偉そうに指示や命令をされる
- 理不尽な指導がまかり通っている
- 人員不足なのに何の対応もしない
- 有無を言わせない恐怖政治
などの状況であれば、多くの職員が「辞めたい」と思うことでしょう。
こういった「中間管理職の人達」は明らかにマネジメント不足であることがわかります。
もっと言えば、今まで介護現場では中間管理職を育てる環境や体制が無かったため、「資質や能力や指導力やマネジメント力の無い人が介護現場で上司をしている」という不健全な状態になっていると言えます。
つまり、「中身が無いから頭を垂れることもない」のです。
勤続年数が長いだけのお局職員
介護現場では、勤続年数が長いだけの「お局さま」と言われる職員が存在します。
このお局職員は、上司の場合もありますし、パート職員でも勤続年数が長いことで影響力や発言権を獲得し「猿山の大将」となっている場合もあります。
謙虚さの欠片もなくふんぞり返って偉そうに理不尽なことを言うから「お局」と呼ばれているのであって、決して頭を垂れることはありません。
例えば、
- 意見の主張という名のマウンティング
- いじりという名のいじめ
- 毒舌という名の暴言
などを得意技としています。
お局職員がいる日は職場内が殺伐としていて、居ない日は平和という事実から、職場環境や人間関係を悪くさせている権化であることがわかります。
お局職員の特徴と対処法については下記記事にまとめていますのでチェックしてみて下さい。
最後に
今回は、介護業界に存在する「実っても頭を垂れない稲穂たち」をご紹介しました。
こうして見ていくと「実っても頭を垂れない」のではなく、「実っていないから頭を垂れない」ということがわかります。
しかし、そういう「実っていない人達」が経営者であったり自分の上司であったりするため、非常に厄介な存在になります。
自分への戒めも込めて、謙虚さを忘れないようにしたいところです。