人間関係においては、ある程度柔軟に対応していく「潤滑油」が必要不可欠です。
言い換えると「クラッチの遊びの部分」とも言えるでしょう。
潤滑油やクラッチの遊びがないと、ギスギスしたり摩耗や消耗が激しくなって極端な行動や言動をしてしまったり人間関係が余計に悪化するなどの弊害が発生します。
これは人間関係を構築していく場面ではすべからく必要な要素です。
介護現場では「職場内の人間関係の問題」が指摘されることが多々ありますが、そこには「人間関係における潤滑油が足りない人」が存在するのではないでしょうか。
以下でその特徴を詳しく見ていきたいと思います。
人間関係における潤滑油が足りない人がいると介護現場がギスギスする5つの特徴
介護現場に人間関係を円滑にできないどころか悪化させてしまう「潤滑油が足りない人の特徴」を見ていきます。
特徴①:正論の暴力
介護現場の中で「正論の暴力」が蔓延っていると人間関係がギスギスしてしまいます。
確かに言っていることは正しいのですが、
- 言い方がキツい
- 言い方がネチネチとしつこい
- 皆の前で吊るし上げる
などの精神的ダメージを与えるやり方が暴力的であると言えます。
元々そういう性格なのか、猿山の大将の成れの果てなのかはわかりませんが、そこに「人間関係を上手くやっていこうという潤滑油が明らかに不足」しているのが特徴です。
正論を振りかざす言葉の暴力はパワハラにもなり得ますし、正論だからこそ伝え方に配慮することも必要でしょう。
特徴②:独裁的
経営者や上司などが独裁的な運営をしている介護現場は窮屈ですし人間関係もギスギスしてしまいます。
例えば、
- 全てが独断と偏見で運営されている
- 現場職員の意見は無下にされる
- 意見のことを愚痴や不平不満と呼ぶ
- 会議や多職種で決めたことが鶴の一声でひっくり返る
- やりがい搾取体質
などの職場であれば、人間関係における潤滑油が明らかに欠如してしまっています。
独裁的な運営の介護現場では、人間関係よりも従業員を支配することに重点が置かれていますので「奴隷制度に近い」という特徴があります。
特徴③:マウンティング
介護現場の中で、職員同士でのマウンティングが横行している職場は人間関係がギスギスしてしまいます。
例えば、
- 意見の押し付け合い
- 揚げ足の取り合い
- 感情のぶつけ合い
などを、なりふり構わず職場内で攻防を繰り広げる行為になります。
意見の擦り合わせのためではなく、ただ自分が優位に立ちたいだけであるため「お互い人間関係における潤滑油が足りない」のが特徴です。
但し、当たり屋のように一方的にマウンティングを仕掛けられることもあるため、その防御のために仕方がなく言い返すことで自分も同じレベルに落ちてしまう危険性もあります。
言い返さなければ人間サンドバッグ状態になったり変なレッテルを貼られてしまうことで負のループに陥ってしまうため、1人でもマウンティングを仕掛けてくる人がいる職場は当然のように人間関係がギスギスしてしまうことでしょう。
特徴④:無視
俄かには信じられないかもしれませんが、介護現場という職場の中には「無視をする人」が存在する場合があります。
例えば、
- 挨拶を無視する
- 声を掛けても無視をする
- 質問しても無視をする
というような状況です。
福祉や介護を生業とするいい歳をした大人たちが働く職場であるのに、です。
無視をするような人がいる職場では人間関係がギスギスしますし、明らかに人間関係を構築していくための潤滑油が欠如してしまっています。
無視が当たり前のように横行していても、それが通常運転である点が特徴です。
特徴⑤:非常識
「介護の常識は世間の非常識」とも揶揄されている業界なので、介護現場で働き続けるためには非常識から身を守りながら働く必要がありますが、それもまた度が過ぎると自分自身が非常識な人になってしまうため注意が必要です。
例えば、
- 残業は一切しない
- 好き勝手に休む
- 協調性がない
- サボる
- 嫌な仕事を人に押し付ける
などになります。
もちろん、自分の生活や権利を守るために必要な主張をしていくことは大切なことですが、あまりにも極端だと人間関係がギスギスしますし潤滑油が足りていない非常識な状態だと言えます。
自分一人で働いているのならまだしも、会社組織の中でチームとして介護を提供しているのですから、ある程度の柔軟性は必要でしょう。
そもそも、自分がしなければならない義務を怠ったり他人の権利を侵害してまで自分を守ることは不健全ですし不法行為に該当することもあります。
(不法行為による損害賠償)
第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
【引用元】民法
残業に関しては、どうしてもできない理由があったり雇用契約上一切する義務がない場合はする必要はありませんが、そうでない場合は仕事なのですから少しくらい協力する姿勢も必要でしょう。
ここで言いたいのは、「少しは残業をしましょう」ということではなく、
- 協調性が全くない極端な対応は人間関係が悪化する原因になる
- 自分に課せられた義務を怠ってはいけない
- 他人の権利や法律上保護される利益を侵害してはいけない
- 画一的な凝り固まった考え方よりも柔軟さが大切
ということです。
「自分自身が介護現場の非常識そのものになってしまっていることに気づいてない人が存在している」のが特徴です。
最後に
今回は、人間関係における潤滑油が足りない人がいると介護現場がギスギスする5つの特徴について記事を書きました。
まとめると、
- 正論を振りかざす言葉の暴力
- 独裁的な運営で支配しようとする人
- マウンティングを仕掛けてくる人
- 無視をする人
- 自分の権利を守るために他者の権利を侵害する非常識な人
になります。
潤滑油が不足している人がいると、人間関係が悪化していき、ひいては退職者が続出したり自分自身が退職することにもなりかねません。
何事にも言えることですが、ある程度の柔軟さが大切です。